過剰に摂取すると試験紙法による尿潜血検査が偽陰性となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
アスコルビン酸(ビタミンC)は強力な還元作用を持つため、試験紙法による尿潜血検査で用いられるペルオキシダーゼ様反応を阻害し、たとえ尿中に血液成分が存在していても偽陰性の結果を示すことがあります。これは、試薬が発色するのを妨げるためです。
選択肢ごとの解説
- 1. 葉酸は水溶性ビタミンの一種ですが、尿潜血検査に直接影響を与えて偽陰性にする作用は報告されていません。正しくは:葉酸は妊娠初期の神経管閉鎖障害予防などで重要な役割を果たします。選びやすい理由:水溶性ビタミンであるため、体外に排泄されやすく、何か尿検査に影響があるように思われるかもしれません。混同注意:他の水溶性ビタミンであるアスコルビン酸(ビタミンC)と混同し、何らかの検査に影響を与えると思われがちです。
- 2. ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、尿潜血検査の反応に直接干渉して偽陰性を示す作用はありません。正しくは:ビタミンAは視覚機能、皮膚・粘膜の健康維持、免疫機能などに必須のビタミンです。選びやすい理由:ビタミンの一種なので、摂取量によって何らかの身体機能や検査結果に影響すると考える人がいるかもしれません。混同注意:脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの性質の違いや、それぞれが関与する生理作用を混同する可能性があります。
- 3. ビタミンB群は水溶性ビタミンですが、尿潜血検査の化学反応を阻害して偽陰性をもたらす作用は知られていません。正しくは:ビタミンB群はエネルギー代謝や神経機能の維持に重要な役割を担います。選びやすい理由:水溶性ビタミンなので、尿中に排泄されることから、尿検査に影響を与えるかもしれないと考える学生もいるかもしれません。混同注意:他の水溶性ビタミン、特にアスコルビン酸の検査への影響と一般の水溶性ビタミンの影響を混同しやすいです。
- 4. パントテン酸はビタミンB群の一種(ビタミンB5)であり、尿潜血検査の試薬反応に干渉して偽陰性を生じさせる作用は報告されていません。正しくは:パントテン酸は、脂肪酸の合成や分解、糖の代謝など、生体内の多くの酵素反応に必要な補酵素Aの構成成分です。選びやすい理由:あまり耳馴染みのないビタミンであるため、特殊な作用があるのではないかと推測する人がいるかもしれません。混同注意:個々のビタミンが持つ特定の生理作用や、検査への干渉作用の有無を明確に区別できていない可能性があります。
- 5. 正解。アスコルビン酸は強力な還元作用を持つため、試験紙法の尿潜血検査で使われる試薬(ペルオキシダーゼ様反応)を阻害し、血液があっても陰性を示す「偽陰性」を引き起こすことがあります。
国試ポイント
尿検査、特に試験紙法における偽陽性・偽陰性の原因となる食品や薬剤の知識を問う問題です。臨床現場で正確な検査結果を評価するために重要な知識となります。特に、ビタミンCの還元作用が多くの酸化還元反応を利用する検査に影響を与えることを理解しているかどうかが鍵です。
混同注意
偽陽性と偽陰性の違い、また、尿糖検査や尿蛋白検査など他の尿検査への影響と混同しやすいです。特定のビタミンが全ての尿検査に影響を与えるわけではないことに注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各尿検査項目(潜血、糖、蛋白、ビリルビンなど)において、どのような物質が偽陽性・偽陰性を引き起こすのか、そのメカニズム(酸化還元作用、pH変化など)まで含めて理解しているかを確認します。
関連知識
試験紙法による尿検査の原理(ペルオキシダーゼ反応、グルコースオキシダーゼ反応など)。尿糖検査における偽陰性(例:ビタミンC)や偽陽性(例:特定の薬物)。尿蛋白検査における偽陽性(例:アルカリ尿)など、各項目における偽反応の原因。