脳梗塞による右片麻痺がある成人患者に用いる日常生活動作〈ADL〉の評価として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Barthelインデックスは、食事、更衣、移動、排泄などの10項目について患者の日常生活動作の自立度を点数化して評価するスケールです。脳梗塞後の片麻痺患者のADL能力や回復過程を客観的に評価する上で標準的に用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. NYHA分類は、心疾患の重症度を評価する際に用いられるものであり、ADL能力を直接的に測る指標ではありません。心臓の機能的分類に基づいて、身体活動の制限度合いを示します。正しくは:心疾患の重症度分類であるため、ADL評価には不適切です。選びやすい理由:ADLと関連する身体活動の制限を示す点で混同しやすいですが、その評価対象は心臓の機能です。混同注意:NYHA分類は心不全の重症度を分類するもので、活動能力の指標ではあるものの、脳梗塞患者のADL評価に特化したものではありません。
- 2. Borgスケールは、運動中の自覚的なしんどさや呼吸困難の程度を評価するために使用される指標です。ADL全般の能力を評価するものではありません。正しくは:運動時の主観的努力度や呼吸困難度を評価するスケールであるため、ADL評価には不適切です。選びやすい理由:リハビリテーションで運動負荷を評価する際に使われるため、運動能力と結びつけて誤解しやすいです。混同注意:Borgスケールは、運動中の主観的な労作度を評価するスケールであり、ADL全体を評価するものではありません。
- 3. 正解。Barthelインデックスは、食事、移動、入浴、排泄など、具体的な日常生活動作の自立度を評価するための国際的に広く用いられている指標です。脳梗塞後の片麻痺患者のADL能力を客観的に評価するのに非常に適しています。正しくは:正しい選択肢です。脳梗塞後のADL評価に広く用いられます。選びやすい理由:ADL評価の代表的なツールであり、脳梗塞患者の機能回復を追跡するのに適しています。混同注意:日常生活動作の自立度を多角的に評価するため、脳梗塞後のリハビリテーション効果の評価にも有用です。
- 4. 主観的包括的アセスメント(SGA)は、主に栄養状態を評価するために用いられるツールであり、患者の身体診察や病歴から栄養障害の程度を総合的に判断します。ADL能力の評価とは目的が異なります。正しくは:栄養状態を評価するツールであるため、ADL評価には不適切です。選びやすい理由:「包括的アセスメント」という言葉から、ADLも含まれると誤解しやすいですが、主な対象は栄養状態です。混同注意:SGAは栄養状態を評価するものであり、ADLの自立度を直接評価するものではありません。
国試ポイント
脳梗塞後のADL評価に用いる代表的なスケール(Barthelインデックス)の知識が問われています。各スケールの目的と評価対象を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
NYHA分類やBorgスケールも活動能力に関連する指標ですが、評価対象が異なります。名称から内容を連想できるよう、基本的な評価スケールの区別を明確にしておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
患者の状態に応じた適切なADL評価スケールを選択できるか、またその結果を看護計画立案に活用できるか。
関連知識
ADL評価には、Barthelインデックスの他にFIM(機能的自立度評価法)なども広く用いられます。それぞれのスケールの特徴や評価項目を比較して理解しておくと良いでしょう。