Aさん(79歳、男性)は、1人暮らし。要介護2の認定を受け、訪問看護を利用することになった。初回の訪問時、Aさんは敷いたままの布団の上に座っており「便利だから生活に必要なものを手の届くところに置いているんだよ」と話した。Aさんの生活様式を尊重した訪問看護師のこのときの声かけで適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
初回訪問時、Aさんの生活様式を尊重する声かけとしては、Aさんの発言をそのまま受け止め、肯定的に繰り返すことが適切です。これにより、Aさんは自分の話を理解してもらえたと感じ、その後の信頼関係構築につながります。まずは相手の現状を受け入れる姿勢を示すことが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. Aさんの現在の生活状況や発言の意図を把握する前に、いきなり外出を促すのは適切ではありません。まずはAさんの現状を受け止める姿勢を示すべきです。正しくは:まずはAさんの現状を受け止め、話を傾聴することが大切です。選びやすい理由:気分転換は健康に良い行動ですが、Aさんの現在の状況を考慮すると優先順位は低いです。混同注意:患者のニーズを汲み取らず、一方的に看護師の意図を押し付けている点で不適切です。
- 2. Aさんが布団を敷いたままにしていることには「便利だから」という理由があり、それを否定するような発言はAさんの生活様式を尊重していません。また、布団の上げ下ろしが困難な可能性も考慮すべきです。正しくは:Aさんの発言の背景を理解し、その生活スタイルを尊重する姿勢が重要です。選びやすい理由:衛生面や活動範囲の確保という意味では布団を畳むことは推奨されますが、Aさんの現状を尊重する声かけではありません。混同注意:Aさんの「便利だから」という言葉の裏にある意味を理解せずに、一方的な指導をしてしまっている点で不適切です。
- 3. Aさんは布団での生活に「便利」と感じており、現状を否定してすぐにベッド導入を提案するのは、Aさんの生活様式を尊重する姿勢とはいえません。まずはAさんの状況や意向をさらに詳しく確認することが先決です。正しくは:Aさんの現在の生活様式や意向を尊重し、十分に傾聴した上で、必要に応じて改善策を提案していくべきです。選びやすい理由:身体機能低下の予防や転倒リスク軽減のためにベッド導入は有効な場合がありますが、初回訪問でいきなり提案するのは時期尚早です。混同注意:Aさんの言葉を真に受けずに、一方的に「布団は不便である」と決めつけて解決策を提示している点で不適切です。
- 4. 正解。Aさんの発言を肯定的に受け止め、そのまま繰り返すことで、傾聴の姿勢とAさんの生活様式を尊重する態度を示しています。これにより、Aさんは「自分の話を理解してくれた」と感じ、その後の信頼関係構築につながります。まずは現状の肯定から入ることが重要です。正しくは:Aさんの発言を肯定的に受け止め、そのまま繰り返すことで、傾聴の姿勢とAさんの生活様式を尊重する態度を示します。選びやすい理由:一見すると簡単な声かけに見えますが、患者の言葉を繰り返す「反復」は傾聴の基本であり、信頼関係構築の第一歩です。混同注意:単にオウム返しをしているように見えるかもしれませんが、これはAさんの言葉を「受け止めた」ことを示す重要なコミュニケーション技法です。
国試ポイント
利用者中心の看護、傾聴の姿勢、信頼関係構築の基本が問われています。初回訪問時やアセスメントの初期段階では、利用者の言葉を肯定的に受け止め、生活様式を尊重するコミュニケーションが非常に重要です。
混同注意
他の選択肢は、Aさんの発言や現状を否定したり、看護師側の判断で改善策を一方的に提示したりしており、Aさんの生活様式を尊重しているとは言えません。特に「便利だから」というAさんの言葉の裏にある意図を汲み取ることが重要です。
次に同じ論点が出たら
この声かけの後、看護師はAさんの生活スタイルについてさらに具体的な情報(なぜそれが便利だと感じるのか、どのような点が不便に感じることはないかなど)を尋ね、アセスメントを深めていくことが望ましいです。
関連知識
利用者中心のケア、アクティブリスニング(傾聴)、ラポール形成、非言語的コミュニケーションの重要性、アセスメントの段階とコミュニケーション技法。