排便反射の反射弓を構成するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
排便反射は、直腸壁が便で伸展されることで刺激され、その刺激が骨盤神経(求心性神経)を介して仙髄(排便中枢)に伝えられます。仙髄から出た副交感神経(骨盤神経の一部)が遠心性神経として直腸の収縮や内肛門括約筋の弛緩を引き起こし、排便を促します。したがって、骨盤神経は求心路と遠心路の両方を担い、仙髄は排便反射の中枢であるため、この2つが反射弓の主要な構成要素となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 下腸間膜神経節は、主に下行結腸から直腸までの消化管の運動や分泌を支配する交感神経系の神経節ですが、排便反射の直接的な反射弓の構成要素ではありません。正しくは:排便反射の反射弓は、求心性神経、中枢、遠心性神経によって構成されます。下腸間膜神経節は交感神経系の節であり、排便反射の主要な中枢や伝導路とは異なります。選びやすい理由:消化器系の神経節であるため、排便と関連があるように見えやすいです。混同注意:自律神経系の神経節全般と排便反射の直接的な経路を混同しやすいです。
- 2. 腹腔神経節は、胃、十二指腸、肝臓、膵臓、脾臓など上腹部の臓器を支配する最大の交感神経節であり、排便反射の反射弓には関与しません。正しくは:排便反射の反射弓は仙髄を中心に構成されます。腹腔神経節は主に上腹部の消化器系に作用する交感神経系の節であり、排便反射の経路には含まれません。選びやすい理由:広範な消化器系を支配する神経節であるため、排便に関わると誤解しやすいです。混同注意:排便反射と他の消化器系の反射を混同しやすいです。
- 3. 正解。骨盤神経は副交感神経に属し、排便反射の遠心路として直腸の収縮や内肛門括約筋の弛緩を促します。また、直腸からの求心性刺激を仙髄に伝える役割も持ち、排便反射弓の重要な構成要素です。
- 4. 排便反射の中枢は主に仙髄に位置しており、腰髄は直接的な排便反射の反射弓には含まれません。腰髄は主に下肢の運動や感覚、一部の自律神経機能に関与します。正しくは:排便反射の中枢は仙髄(S2-S4)に存在します。腰髄は排便反射の主要な中枢ではありません。選びやすい理由:脊髄の一部であり、下部消化器と関連するため選びやすいですが、具体的な反射中枢の位置とは異なります。混同注意:脊髄の部位と、特定の反射の中枢を混同しやすいです。
- 5. 正解。仙髄(特にS2-S4)は、排便反射の統合中枢(排便中枢)として機能します。直腸壁の伸展刺激を求心性神経(骨盤神経など)から受け取り、排便を促進する遠心性刺激を骨盤神経などを介して送ります。したがって、反射弓の中心的な要素です。
国試ポイント
排便反射の反射弓を構成する神経および中枢の部位について、正確な知識が問われています。特に、どの神経が求心性・遠心性に関与し、どこの脊髄分節が中枢となるかを理解しているかが重要です。
混同注意
自律神経系の様々な神経節(腹腔神経節、下腸間膜神経節など)と排便反射の直接的な反射弓を構成する神経(骨盤神経)や中枢(仙髄)を混同しやすいです。また、脊髄の他の部位(腰髄など)と排便中枢がある仙髄の区別もポイントです。
次に同じ論点が出たら
排便反射だけでなく、他の重要な反射(例:膝蓋腱反射、対光反射、咳嗽反射、嚥下反射など)の反射弓の構成要素(求心路、中枢、遠心路)を問う問題が出題される可能性があります。特に、関連する神経や脊髄分節を正確に把握しておく必要があります。
関連知識
排便反射には、直腸の伸展、内肛門括約筋の弛緩、外肛門括約筋の弛緩(意識的な制御も含む)、腹圧の上昇などが関与します。また、排便反射は脳の大脳皮質による上位中枢からの抑制・促進も受けます。排便に関連する神経には、副交感神経(骨盤神経)、交感神経(下腸間膜神経節を経由)、体性神経(陰部神経)があります。