アセチルコリンで収縮するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
アセチルコリンは、運動神経終末から放出されて骨格筋(腓腹筋など)を収縮させる神経伝達物質であり、また副交感神経の節後繊維末端から放出されて特定の平滑筋(排尿筋など)を収縮させる作用も持ちます。
選択肢ごとの解説
- 1. 心筋は副交感神経の刺激(アセチルコリン)により収縮が抑制されます(心拍数減少、収縮力低下)。正しくは:心筋の収縮は、アセチルコリンではなく交感神経系(ノルアドレナリン)によって促進されます。選びやすい理由:自律神経系の作用対象であるため、関連があるように思えるかもしれませんが、アセチルコリンの作用は抑制的です。混同注意:心筋は自律神経の二重支配を受けますが、アセチルコリンの作用は活動を抑える方向です。
- 2. 正解。排尿筋は、副交感神経からのアセチルコリンの刺激(ムスカリン受容体)によって収縮し、排尿を促します。
- 3. 正解。腓腹筋は骨格筋であり、運動神経末端から放出されるアセチルコリン(ニコチン受容体)によって収縮します。
- 4. 立毛筋の収縮は、交感神経からのノルアドレナリンによって引き起こされます(寒冷刺激や恐怖反応時)。アセチルコリンは直接的な収縮作用を持ちません。正しくは:立毛筋はノルアドレナリンによって収縮します。選びやすい理由:自律神経の作用対象ですが、アセチルコリンではなくノルアドレナリンが作用します。混同注意:自律神経支配を受ける平滑筋ですが、交感神経系の支配です。
- 5. 瞳孔散大筋は、交感神経からのノルアドレナリンによって収縮し、瞳孔を散大させます。アセチルコリンは瞳孔括約筋に作用し、瞳孔を縮小させます。正しくは:瞳孔散大筋はノルアドレナリンによって収縮します。選びやすい理由:瞳孔に関わる筋肉ですが、アセチルコリンが作用するのは瞳孔括約筋(収縮)であり、散大筋には作用しません。混同注意:瞳孔の動きは自律神経の二重支配を受けますが、アセチルコリンは瞳孔括約筋に作用し、散大筋とは逆の作用をします。
国試ポイント
アセチルコリンが作用する筋肉の種類(骨格筋と一部の平滑筋)、およびその作用機序について理解しているかが問われています。特に、自律神経系におけるアセチルコリンの役割(副交感神経の節前・節後神経、交感神経の節前神経、一部の交感神経節後神経)と、運動神経による骨格筋の支配を区別できるかが重要です。
混同注意
自律神経支配を受ける臓器のうち、アセチルコリンが収縮を抑制する心筋と、収縮を促進する排尿筋のような平滑筋の区別。また、アセチルコリンが作用する骨格筋と、交感神経系のノルアドレナリンが作用する平滑筋(立毛筋、瞳孔散大筋)との区別。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、アセチルコリンの作用だけでなく、ノルアドレナリンなど他の神経伝達物質の作用や、それぞれの受容体の種類と臓器ごとの反応について、より深く問われる可能性があります。自律神経の二重支配と各神経伝達物質の最終的な効果を整理しておくことが重要です。
関連知識
自律神経系の作用機序、神経伝達物質(アセチルコリン、ノルアドレナリン)と受容体(ムスカリン受容体、ニコチン受容体、アドレナリン受容体)の種類と分布。骨格筋の収縮メカニズム。