新生児の殿部の写真(別冊No. 2)を別に示す。考えられるのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下に示す画像は新生児の臀部に確認できる青色色素斑であり、これは蒙古斑に典型的な所見です。蒙古斑は、皮膚の真皮内にメラニン色素を持つ細胞(メラノサイト)が存在するために生じるもので、日本人を含む東洋系の新生児に多く見られます。通常は成長とともに自然に薄くなり消失します。
選択肢ごとの解説
- 1. ポートワイン母斑(単純性血管腫)は、盛り上がりのない赤紫色の母斑であり、通常は顔面によく見られます。写真の所見とは異なります。正しくは:盛り上がりのない赤紫色の母斑で、顔面によく見られる。選びやすい理由:新生児の皮膚病変として挙げられるため、選択肢として考慮されやすいかもしれません。混同注意:他の血管性の母斑や色素性母斑と混同しやすい。
- 2. サーモンパッチ(正中部母斑)は、淡い赤色の平坦な母斑で、通常は額の中央、まぶた、鼻の下、うなじなどに現れます。写真の所見とは異なります。正しくは:淡い赤色の平坦な母斑で、額やうなじによく見られる。選びやすい理由:新生児に比較的多く見られる血管性病変のため、候補として挙げられやすいですが、部位や色調が異なります。混同注意:他の血管性母斑(例:ウンナ母斑、苺状血管腫)と混同しやすい。
- 3. ウンナ母斑はサーモンパッチのうち、特に後頸部(うなじ)に見られるものを指します。写真の臀部の所見とは部位が異なります。正しくは:サーモンパッチのうち、うなじに見られる淡い赤色の平坦な母斑。選びやすい理由:新生児期に見られる良性母斑の一つですが、臀部に出現するものではありません。混同注意:サーモンパッチと同義と捉えられがちですが、部位を限定した呼び方である点。
- 4. 太田母斑は青~青黒色の色素斑で、主に顔面(三叉神経支配領域)に左右非対称に出現し、出生時または思春期以降に現れます。写真の臀部の所見とは部位や分布が異なります。正しくは:青~青黒色の色素斑で、主に顔面に非対称に出現する。選びやすい理由:青みがかった色素斑という点で蒙古斑と似ていますが、発生部位が大きく異なります。混同注意:蒙古斑や青色母斑と色調が似ているため混同しやすいが、発生部位と分布が異なる。
- 5. 正解。新生児の臀部や仙骨部に現れる、青色または青灰色の扁平な色素斑は蒙古斑の特徴です。これは正常な生理的現象で、通常は数年で自然に消失します。
国試ポイント
新生児の皮膚に見られる生理的・病的所見の鑑別が問われています。特に、正常な生理的変化である蒙古斑と、治療が必要な病的な母斑を区別できる知識が重要です。画像を用いた問題形式では、視覚的な特徴と好発部位を正確に結びつける能力が求められます。
混同注意
蒙古斑と太田母斑、青色母斑など、青色を呈する他の母斑との鑑別。また、蒙古斑と、アザのように見えるが病的な意義を持つ他の皮膚疾患(例:神経線維腫症のカフェオレ斑)との混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、新生児の異なる部位(顔面、四肢、体幹など)の画像が提示され、そこに現れる代表的な生理的変化や病的変化(例:苺状血管腫、カフェオレ斑、サーモンパッチ)を鑑別させる問題が予想されます。各母斑の色調、形状(隆起性か平坦か)、大きさ、境界の明瞭さ、出現時期、自然消退の有無、治療の必要性の有無について確認する準備をしておくべきです。
関連知識
新生児に特有の皮膚所見(生理的黄疸、新生児ざ瘡、脂腺増殖症、紅斑、粟粒疹など)と、それぞれの特徴、好発部位、対応について理解しておく必要があります。また、様々な母斑の種類(血管腫、色素性母斑など)とその鑑別も重要です。