Aさん(48歳、男性)は、右眼の視野に見えにくい部位があることに気付き眼科を受診した。暗い部屋で見えにくいことはない。頭痛や悪心はない。Aさんの疾患を診断するのに必要な検査はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・4番
解説
Aさんの症状である「右眼の視野に見えにくい部位がある」は、緑内障や網膜疾患、視神経疾患などによる視野欠損を示唆します。緑内障の診断には眼圧測定が不可欠であり、眼底検査によって視神経乳頭の状態や網膜の異常を確認することが重要です。これらの検査は視野欠損の原因を特定する上で基本的なものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳波検査は脳の電気活動を調べるもので、てんかんや脳炎、脳腫瘍などの神経疾患の診断に用いられます。視野異常の直接的な診断には通常使用されません。正しくは:視野異常の診断においては、眼科的な検査が優先されます。選びやすい理由:視野異常が脳に原因がある可能性を考えることで、選択肢として魅力的かもしれませんが、眼科受診の初期段階では直接的な検査ではありません。混同注意:脳腫瘍による視野障害と混同する可能性がありますが、まずは眼科的な原因を除外するための検査が重要です。
- 2. 色覚検査は色の識別能力を評価するもので、色覚異常(色盲など)の有無を調べます。視野欠損とは直接関連しません。正しくは:視野欠損を評価するためには、視野検査や眼底検査、眼圧測定などが行われます。選びやすい理由:眼の見え方に関する検査であるため、選びたくなるかもしれませんが、問われているのは「視野に見えにくい部位」であり、色覚とは異なる症状です。混同注意:視力検査や視野検査といった、他の視機能検査と混同しやすいです。
- 3. 正解。視野の一部が見えにくいという症状は、緑内障でよく見られる初期症状です。緑内障の診断には、眼圧測定が不可欠であり、眼圧が高いと緑内障のリスクが高まります。
- 4. 正解。視野欠損の原因として緑内障が疑われる場合、視神経乳頭の陥凹拡大などの変化を確認するために眼底検査は必須です。また、網膜剥離や網膜の疾患、眼底出血など、他の視野異常を引き起こす疾患の診断にも重要です。
- 5. 眼球運動検査は、眼球の動きに異常がないかを調べ、斜視や眼筋麻痺、神経性疾患などを評価します。視野の一部が見えにくいという症状とは直接的な関連性が低いです。正しくは:視野異常の原因を特定するためには、眼圧測定や眼底検査、視野検査などが適切です。選びやすい理由:眼に関する検査であるため、選択肢として考えやすいかもしれませんが、視野欠損の直接的な原因を探る検査ではありません。混同注意:視機能全般の検査と混同しやすいですが、特定の症状に対応する検査を選び分ける必要があります。
国試ポイント
視野異常の症状から考えられる疾患(特に緑内障)とその診断に必要な基本的な眼科検査を正しく理解しているかどうかが問われる問題です。複数の選択肢を選ぶ形式であるため、各検査の目的と関連疾患を正確に把握している必要があります。
混同注意
脳腫瘍などの中枢神経系の疾患による視野障害と、眼科的な疾患による視野障害の鑑別。まずは眼科的な検査で眼球そのものの異常を確認することが基本です。
次に同じ論点が出たら
視野欠損の症状を呈する患者が来院した場合、まず何をもって疾患を疑い、どのような一次検査を行うべきか。特に緑内障のリスク因子(高眼圧、家族歴など)を考慮し、鑑別診断を進めるための初期検査の選択能力が問われます。
関連知識
視野検査(ハンフリー視野計など)、光干渉断層計(OCT)による視神経乳頭解析、緑内障の病態生理、網膜剥離の症状と診断、視神経炎。