麻疹に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
麻疹は麻疹ウイルスによる非常に感染力の強い全身性ウイルス感染症です。重篤な合併症として脳炎があり、致死率や後遺症のリスクが高いです。予防にはワクチンが最も有効であり、日本では乳幼児期に2回の定期予防接種が行われています。発疹出現前から感染力があり、特異的な抗ウイルス薬は確立されていません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。麻疹ウイルスは中枢神経系にも感染し、麻疹脳炎(急性期脳炎)や亜急性硬化性全脳炎(SSPE)といった重篤な神経学的合併症を引き起こす可能性があります。特に麻疹脳炎は致死率が高く、後遺症を残すことも少なくありません。
- 2. 麻疹の感染力は、発疹が出現する4日前から発疹出現後4日目頃までとされています。最も感染力が強いのは、発疹出現前のカタル期(発熱、咳、鼻水などの先行症状がある時期)の終わりから発疹出現直後にかけてです。正しくは:最も感染力が強いのは、発疹出現前のカタル期の終わりから発疹出現直後にかけてです。選びやすい理由:発疹が出ている時期は症状が顕著であるため、感染力が最も強いと考えやすいかもしれません。しかし、実際には発疹出現前にもすでにウイルス排出が盛んに行われています。混同注意:他の感染症の感染期間や症状出現時期と混同しやすいです。麻疹は発疹出現前から感染力があることを理解しておく必要があります。
- 3. 麻疹ウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬は現在確立されていません。治療は対症療法が主体となります。ただし、合併症の予防や治療のためにガンマグロブリン製剤の使用が考慮されることはあります。正しくは:麻疹ウイルスに対する特異的な抗ウイルス薬は確立されておらず、治療は対症療法が中心です。選びやすい理由:多くのウイルス感染症には抗ウイルス薬が存在するため、麻疹にも有効な薬があると思われがちです。混同注意:インフルエンザなど、有効な抗ウイルス薬が存在するウイルス感染症と混同しやすいです。麻疹にはワクチンによる予防が最も重要であるという認識が必要です。
- 4. 正解。日本において、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)の定期接種は、第1期(1歳児)と第2期(小学校入学前1年間)の計2回実施されています。これにより、高い免疫獲得率と集団免疫の維持を目指しています。
- 5. 麻疹は、エンテロウイルスではなく、パラミクソウイルス科に属する麻疹ウイルスによって引き起こされる疾患です。エンテロウイルスは手足口病やヘルパンギーナ、一部の髄膜炎などの原因となります。正しくは:麻疹は、パラミクソウイルス科に属する麻疹ウイルスによって発症します。選びやすい理由:様々なウイルス感染症がある中で、ウイルス名を正確に覚えるのは難しいと感じるかもしれません。ウイルス感染症であることは認識できても、特定のウイルス名と病気を結びつけるのが誤ってしまうことがあります。混同注意:他の発疹性疾患やウイルス性疾患の原因ウイルスと混同しやすいです。例えば、風疹は風疹ウイルス、水痘は水痘・帯状疱疹ウイルスなど、それぞれの疾患と原因ウイルスを正確に結びつける知識が必要です。
国試ポイント
麻疹の病原体、感染経路、感染期間、臨床症状、合併症、治療、予防接種(特に定期接種の回数と時期)に関する基本的な知識が問われています。特に、重篤な合併症、感染力の強い時期、特異的治療薬の有無、そして予防接種の重要性は頻出テーマです。
混同注意
他の小児期発疹性疾患(風疹、水痘、突発性発疹など)との鑑別点、特に原因ウイルス、感染期間、合併症、予防法が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後も麻疹の基本的な知識、特に感染経路、合併症(SSPEを含む)、ワクチンの定期接種スケジュール(回数と対象年齢)は繰り返し問われる可能性が高いです。また、海外渡航者や医療従事者における麻疹の免疫確認やワクチン接種の推奨など、実用的な知識も問われることがあります。
関連知識
麻疹は空気感染(飛沫核感染)するため、非常に感染力が強いです。コプリック斑は麻疹に特徴的な口腔内の発疹です。合併症として脳炎の他に肺炎や中耳炎なども起こりえます。予防接種はMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)として実施されています。麻疹は感染症法上の『五類感染症』に分類されます。