入院集団精神療法において、看護師が担うリーダーの役割で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
集団精神療法において看護師がリーダーを務める場合、患者の非言語的サインを読み取ることや、沈黙にも意味があることを理解し受容することは、患者の内面を深く理解し、安全な治療環境を構築する上で不可欠です。これらは集団力動を促進し、治療効果を高める基本的な役割です。
選択肢ごとの解説
- 1. 集団療法では、個々の患者が自身のペースで関わる機会を尊重します。発言量は自然な流れに任せ、強制的に均等にする必要はありません。むしろ、なぜ発言が少ないのか、なぜ多いのかをアセスメントすることが重要です。正しくは:患者の発言の機会を保障しつつ、必要に応じて発言を促したり、特定の患者に発言が集中しすぎないよう調整したりする。選びやすい理由:グループの公平性を保つことは良いことだという一般的な感覚から、均等にすることが望ましいと誤解しやすい。混同注意:グループでの平等な参加機会の保証と、発言量の機械的な均等化を混同しやすい。
- 2. 正解。集団精神療法における沈黙は、患者が思考を整理したり、感情と向き合ったり、他のメンバーの発言を吸収したりする重要な時間です。無理に沈黙を破ろうとせず、その意味を尊重する姿勢がリーダーには求められます。
- 3. 座席の位置は、患者間の力動性やコミュニケーションに影響を与える可能性がありますが、それを常に固定することは、患者の自律性を尊重しない行為であり、むしろグループの硬直化を招く場合があります。患者自身が選び、変化する自由をある程度認めることが重要です。正しくは:グループの力動性を観察するために座席配置にも注目するが、強制的に固定はしない。必要に応じて変更を促すこともある。選びやすい理由:安定した環境を提供することが良いという考えから、座席固定が安心感につながると誤解しやすい。混同注意:安定した環境の提供と、物理的な配置の固定化を混同しやすい。
- 4. 正解。言葉だけでなく、表情、姿勢、ジェスチャー、声のトーンなどの非言語的サインは、患者の感情や内面的な状態を強く示唆します。これらを注意深く観察し、理解することは、患者の真のニーズを把握し、適切な介入を行う上で不可欠です。
- 5. 集団精神療法では、時に話題が逸れることで、患者が抱える潜在的な問題や感情が浮上することがあります。逸れた話題にも意味がある可能性があり、すぐに戻すのではなく、その内容を傾聴し、なぜその話題が出たのかをアセスメントする視点も必要です。ただし、あまりにも本質から外れる場合は、穏やかに軌道修正を促すこともあります。正しくは:話題が逸れた場合でも、それが患者の潜在的な問題と関連している可能性を考慮し、その意味を探る姿勢を持つ。必要に応じて元のテーマへの穏やかな誘導も行う。選びやすい理由:グループの目的達成のためには、一貫したテーマ維持が重要だと考えやすい。混同注意:グループの目標設定と、話題の厳密な統制を混同しやすい。
国試ポイント
集団精神療法における看護師の役割、特にリーダーシップに求められる具体的な姿勢やスキルについて問う問題です。患者中心のアプローチと、グループの力動性を理解する能力が試されます。
混同注意
表面的な公平性(発言量均等)や秩序維持(座席固定、話題統制)が良いことだと誤解しがちですが、精神療法では患者の内面やグループの自然な力動性を尊重する視点がより重要です。
次に同じ論点が出たら
今後も集団精神療法における看護師の役割は頻出すると考えられます。特に、どのような状況でどのように介入すべきか、具体的な場面設定での判断力が問われる問題に注目してください。また、他の治療法(個人療法、家族療法など)における看護師の役割との比較も重要です。
関連知識
治療的コミュニケーションの基本原則、非言語的コミュニケーションの重要性、集団力動の理解、治療的関係の構築、精神科看護における倫理的配慮。