精神保健医療福祉に関する法律について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
選択肢1は、自殺対策基本法に基づき自殺総合対策大綱が策定されることは正しいです。選択肢5は、犯罪被害者等基本法が犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的としていることは正しいです。選択肢2は、障害者基本法の対象は身体障害と精神障害に限定されず、知的障害なども含むため誤りです。選択肢3は、発達障害者支援法における発達障害の定義に統合失調症は含まれないため誤りです。選択肢4は、精神通院医療の公費負担は障害者総合支援法による自立支援医療で規定されており、精神保健福祉法ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。自殺対策基本法(平成18年法律第85号)は、自殺対策を総合的かつ計画的に推進するために制定され、この法律に基づき、政府は自殺総合対策大綱を策定することが義務付けられています。大綱は具体的な自殺対策の指針となります。
- 2. 障害者基本法では、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、その他心身の機能の障害があるため、長期にわたり日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にある者すべてを対象としており、「身体障害と精神障害に限定」するものではありません。正しくは:障害者基本法が対象とする障害は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)など、多岐にわたる心身の機能の障害です。選びやすい理由:精神保健医療福祉の問題であるため、精神障害が対象に含まれることは正しいと判断しがちですが、「限定」という点が誤りです。混同注意:障害者手帳の種別(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳)と、法律の対象範囲を混同しやすいです。法律の対象は手帳の種類よりも広いです。
- 3. 発達障害者支援法における発達障害の定義は、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」とされており、統合失調症は含まれません。統合失調症は精神疾患の一つですが、発達障害とは異なるカテゴリーです。正しくは:発達障害者支援法で定義される発達障害は、自閉スペクトラム症、学習障害、注意欠陥多動性障害など、主に小児期に発現する脳機能の障害です。選びやすい理由:統合失調症も精神疾患であり、発達障害も脳機能の障害という点で関連性があるように感じられ、含めてしまいやすいです。しかし、診断基準と発症時期が異なります。混同注意:「精神疾患」と「発達障害」という広い概念を混同しやすいです。発達障害は精神疾患の一部に含まれることもありますが、法律上の定義は区別されます。
- 4. 精神通院医療の公費負担制度は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づく自立支援医療(精神通院医療)として規定されています。精神保健福祉法は精神障害者の医療や保護、福祉に関する基本的な事項を定めていますが、具体的な公費負担制度を規定しているのは障害者総合支援法です。正しくは:精神通院医療の公費負担制度は、障害者総合支援法に基づく自立支援医療によって規定されています。選びやすい理由:「精神」という言葉が含まれるため、精神保健福祉法と関連が深いと思いがちですが、具体的な公費負担制度は障害者総合支援法が担当しています。混同注意:「精神保健福祉法」と「障害者総合支援法」の役割分担について理解が不十分だと誤りやすいです。精神保健福祉法は総論的な役割、障害者総合支援法は具体的なサービス提供の役割を担っています。
- 5. 正解。犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)の第一条に「この法律は、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られること」を目的とすることが明記されています。この法律は、犯罪被害者等への支援を総合的に推進するための基本理念を定めています。
国試ポイント
精神保健医療福祉に関連する法律の目的、対象範囲、具体的な制度の根拠法について正確な知識が問われています。特に、関連する複数の法律(精神保健福祉法、障害者総合支援法、自殺対策基本法など)の役割分担を理解しているかが重要です。
混同注意
各法律の名称と内容が似ていたり、一部の対象が重なったりするため、それぞれの法律の具体的な目的や定義、根拠となる制度を混同しやすいです。特に、精神保健福祉法と障害者総合支援法の具体的な役割の違いは頻出のポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後も精神保健医療福祉に関連する法律の目的、対象、具体的な制度の根拠法について問われる可能性が高いです。特に、障害者に関する複数の法律の体系(障害者基本法を上位法とし、個別のサービスを定める障害者総合支援法など)を理解することが求められます。また、発達障害の定義や、各精神疾患の分類についても注意が必要です。
関連知識
・精神保健福祉法:精神障害者の医療及び保護、社会復帰の促進、自立と社会参加の支援。 ・障害者総合支援法:障害福祉サービス、自立支援医療、補装具などの給付。 ・発達障害者支援法:発達障害の早期発見・支援。 ・自殺対策基本法:自殺対策の総合的かつ計画的な推進。 ・犯罪被害者等基本法:犯罪被害者等への支援の推進。