脊髄造影を受ける患者への説明で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
脊髄造影検査では、腰椎穿刺によりくも膜下腔に針を刺すため、検査後に脳脊髄液が漏出し、穿刺後頭痛(Post-Dural Puncture Headache; PDPH)を来すリスクがあります。この頭痛は体位によって増悪することが多く、特に立位で強くなる傾向があります。そのため、検査後の患者さんへの説明や観察項目として、頭痛の有無を確認することは極めて重要です。他の選択肢は、絶食の必要性、造影剤の注入部位(くも膜下腔)、検査後の適切な体位(頭部挙上)など、脊髄造影検査に関する誤った情報を含んでいます。
選択肢ごとの解説
- 1. 脊髄造影検査では、検査中の吐き気や嘔吐を防ぐため、通常は検査前の絶食が指示されます。また、鎮静剤を使用する場合もあり、誤嚥のリスクを避けるためにも絶食が必要です。正しくは:「検査前には、消化器への影響を考慮し、通常、絶食が必要です。」選びやすい理由:簡単な検査では食事制限がない場合もあるため、患者さんへの負担が少ない説明として選びたくなるかもしれません。混同注意:絶食が必要な検査とそうでない検査の区別。
- 2. 脊髄造影検査では、脊髄を囲む「くも膜下腔」に造影剤を注入し、脊髄や神経根の形態を評価します。硬膜外腔は硬膜の外側にある空間であり、ここに注入するのは硬膜外麻酔など別の目的の場合です。正しくは:「造影剤は、脊髄を取り囲むくも膜下腔に注入されます。」選びやすい理由:脊髄周辺への注射であることは共通しており、「硬膜外腔」という言葉が専門的に聞こえるため、正しいと誤解しやすいかもしれません。混同注意:「硬膜外腔」(epidural space)と「くも膜下腔」(subarachnoid space)の解剖学的知識と、それぞれの空間への注入目的の違い。
- 3. 正解。脊髄造影検査では、腰椎穿刺によってくも膜下腔に針を刺すため、脳脊髄液が漏出することがあり、その結果として「穿刺後頭痛(PDPH)」を発症するリスクがあります。そのため、検査後の頭痛の有無の確認は重要な看護介入です。
- 4. 検査後は、造影剤が脳側へ過剰に移行するのを防ぎ、穿刺部からの脳脊髄液の漏出を最小限にするため、頭部をやや挙上した体位(例:15〜30度程度のギャッジアップ)を保つことが推奨されます。これにより、穿刺後頭痛のリスクを軽減する目的もあります。正しくは:「検査後は、造影剤の拡散を抑え、頭痛のリスクを減らすため、頭部をやや高くした体位を保ちます。」選びやすい理由:「ベッド上安静」の指示と混同し、水平位が最も安静な状態であると誤解しやすいです。一部の手術後などでは水平臥位が指示されることもあるため、一般的な安静臥位と混同する可能性があります。混同注意:検査後の体位制限の種類(水平臥位、半坐位、頭部挙上など)と、それぞれの目的。
国試ポイント
脊髄造影検査に関する基本的な知識(目的、前処置、造影剤注入部位、検査後の合併症と看護)が問われています。特に、腰椎穿刺後の合併症である穿刺後頭痛とその対処に関する理解が重要です。
混同注意
脊髄周辺の解剖学的構造(硬膜外腔、くも膜下腔)の混同、腰椎穿刺後の合併症(特に頭痛)とそれに対する看護介入、各種検査における絶食や体位制限の具体的な指示内容。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、脊髄造影検査の具体的な手技と、それに伴う合併症(特に穿刺後頭痛)のリスク、そしてそれらに対する看護介入(前処置、体位、観察項目)を正確に理解しているかを確認する必要があります。
関連知識
脊髄造影検査の合併症:穿刺後頭痛(原因、症状、対処法)、吐き気・嘔吐、アレルギー反応、てんかん発作。腰椎穿刺後の看護:安静度、飲水、バイタルサイン測定。脊髄・髄膜の解剖生理。