正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
心拍出量は、一回拍出量と心拍数を掛け合わせた値です。大動脈圧の上昇は、心臓が血液を送り出す際の抵抗(後負荷)が増大することを意味します。この後負荷の増大により、心臓はより多くのエネルギーを消費し、一回拍出量が減少するため、結果的に心拍出量が低下します。
選択肢ごとの解説
- 1. 心拍数が増加すると、一般的に心拍出量も増加します。ただし、極端に心拍数が増加しすぎると、心室への血液充満時間が短くなり、一回拍出量が減少するため、かえって心拍出量が減少することがあります。しかし、この選択肢は単純な「心拍数の増加」であり、生理的な範囲であれば心拍出量を増加させると考えるのが適切です。正しくは:心拍数が過度に増加する(重度の頻脈)選びやすい理由:心拍数と心拍出量が単純な比例関係にあると思われがちですが、過度な頻脈では一回拍出量の減少により、心拍出量が減少する可能性も考慮しきれていない場合に選んでしまうかもしれません。しかし、この問題では減少する「要因」を尋ねており、通常の生理的範囲での増加は誤りです。混同注意:適度な心拍数増加による心拍出量増加と、過度な心拍数増加による心拍出量減少の混同。
- 2. 正解。大動脈圧の上昇は、心臓が血液を全身に送り出す際の抵抗(後負荷)が増大することを意味します。心臓はこの抵抗に打ち勝つためにより大きな力を必要とし、その結果、心臓から送り出される血液量(一回拍出量)が減少し、心拍出量も低下します。
- 3. 静脈還流量の増加は、心臓に戻る血液の量が増えることを意味し、心臓の前負荷を増加させます。フランク・スターリングの法則に基づき、心臓はより多くの血液を送り出そうとするため、一回拍出量が増加し、結果として心拍出量も増加します。正しくは:静脈還流量が減少する選びやすい理由:体内の血液量が増えると心臓に負担がかかる、という漠然としたイメージから、心拍出量が減少すると誤解する可能性があります。しかし、健康な心臓では一定の範囲内で前負荷の増加は心拍出量を増加させます。混同注意:前負荷と後負荷、あるいは心臓の機能不全時の症状との混同。
- 4. 心筋収縮力が増強すると、心臓はより効率的に、より多くの血液を一度に送り出すことができるようになります。これにより、一回拍出量が増加し、その結果、心拍出量も増加します。正しくは:心筋収縮力が低下する選びやすい理由:心臓の機能が向上する(収縮力が増す)のに、心拍出量が減少するとは考えにくいため、誤りであると判断しやすい選択肢です。
国試ポイント
心拍出量を構成する要素(心拍数、一回拍出量)とその決定因子(前負荷、後負荷、心筋収縮力)が、それぞれ心拍出量にどのような影響を与えるかを理解しているかが問われます。特に、後負荷と心拍出量の関係は重要です。
混同注意
心拍出量に影響を与える因子である前負荷、後負荷、心筋収縮力、心拍数のそれぞれの役割と、心拍出量への影響の方向性(増加か減少か)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まず心拍出量の公式(CO = SV × HR)を思い出し、各選択肢がSVまたはHRのどちらに影響を与え、その結果COが増加するか減少するかを論理的に判断することが求められます。
関連知識
心拍出量(CO = SV × HR)の定義、一回拍出量(SV)の決定因子(前負荷、後負荷、心筋収縮力)、フランク・スターリングの法則、血圧調節のメカニズム。