感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、結核が分類されるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
結核は、感染力が比較的高く、適切な治療を行わないと重症化する可能性があり、公衆衛生上のリスクも大きいため、感染症法で「二類感染症」に指定されています。二類感染症に分類される疾患は、入院勧告や就業制限といった強い措置が国や自治体によって講じられることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 一類感染症は、エボラ出血熱やペストなど、感染力・重篤度が極めて高く、国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症です。結核はこれには該当しません。正しくは:結核は二類感染症に分類されます。一類感染症に該当する例としては、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そうなどがあります。選びやすい理由:結核は重篤な疾患であり、致死率も高いことから、最も危険な分類である一類と誤解する可能性があります。混同注意:一類感染症は国内での発生が稀で、医療現場での遭遇も少ないため、疾患名自体が馴染みが薄いですが、その重篤なイメージから結核が最も危険な分類だと誤って判断する場合があります。
- 2. 正解。結核は感染症法において「二類感染症」に分類されています。二類感染症は、SARSやMERS、鳥インフルエンザなど、感染力・重篤度が高く、特定の医療体制や就業制限が必要とされる疾患群です。結核は感染力が強く、長期の治療が必要であり、社会全体への影響も大きいため、この分類に属します。
- 3. 三類感染症は、腸管出血性大腸菌感染症(O157など)、コレラ、細菌性赤痢など、特定の職業(食品関係など)に従事する者を通じて感染が拡大する可能性があるため、就業制限などの対策が必要な感染症です。結核の主要な感染経路は飛沫核感染であり、この分類には該当しません。正しくは:結核は二類感染症に分類されます。三類感染症に該当する例としては、腸管出血性大腸菌感染症、コレラ、細菌性赤痢などがあります。選びやすい理由:感染症の分類を正確に覚えていない場合、数字の順番で適当に選んでしまう可能性があります。混同注意:三類感染症は、主に経口感染する疾患が多く、特定の職業との関連が強い点が特徴です。結核とは感染経路や対策の重点が異なるため、直接混同することは少ないですが、分類の知識が曖昧だと誤解が生じることがあります。
- 4. 四類感染症は、動物から人に感染する(動物由来感染症)か、飲食物を介して感染する可能性があり、その発生を予防するための対策が求められる感染症です。日本脳炎、つつが虫病、デング熱、マラリア、E型肝炎、A型肝炎などが含まれます。結核は人から人への飛沫核感染が主であり、動物由来感染症ではないため、この分類には該当しません。正しくは:結核は二類感染症に分類されます。四類感染症に該当する例としては、日本脳炎、デング熱、狂犬病などがあります。選びやすい理由:四類感染症には非常に多くの種類があり、多様な感染経路が含まれるため、知識が不十分だと選択肢として検討してしまうかもしれません。混同注意:動物を介した感染や、媒介する生物がいる疾患が多いのが四類感染症の特徴です。結核は人から人への感染がほとんどであるため、この特徴と混同することは少ないでしょうが、広範な疾患が含まれるため誤って選択する可能性もあります。
- 5. 五類感染症は、発生状況の把握と情報提供が重要とされる感染症で、インフルエンザ、麻しん、風しん、手足口病、RSウイルス感染症など、日常的によく見られる疾患が多く含まれます。結核は五類感染症よりもさらに厳格な管理が必要であり、社会への影響も大きいため、この分類には該当しません。正しくは:結核は二類感染症に分類されます。五類感染症に該当する例としては、インフルエンザ、麻しん、風しん、手足口病などがあります。選びやすい理由:日常的に遭遇する感染症の多くが五類に分類されるため、結核の重篤性を過小評価したり、単に分類の末尾として選んでしまったりする可能性があります。混同注意:五類感染症は、全数把握疾患と定点把握疾患に分かれ、集団発生の監視や流行状況の把握が主な目的です。結核の管理の厳重さや長期にわたる治療期間を考慮すれば、五類感染症とは区別しやすいはずです。
国試ポイント
感染症法における感染症の類型分類は、看護師国家試験で頻出の重要事項です。特に、各類型(一類から五類、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症)に属する代表的な疾患を正確に覚えること、そしてそれぞれの類型が持つ公衆衛生上の意味合い(例:入院勧告、就業制限、届出義務など)を理解しておくことが求められます。
混同注意
各感染症がどの類型に分類されるか、また各類型の特徴や対応が混同しやすいポイントです。特に、結核は感染症の中でも特に歴史が長く、依然として患者数も多いため、その分類を正確に理解しておく必要があります。重篤度が高いからといって一類と決めつけたり、患者数が多いからといって五類と誤解したりしないよう注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた場合、結核以外の代表的な二類感染症(例:SARS、MERS)や、他の類型に属する主要な疾患(例:一類のエボラ出血熱、三類の腸管出血性大腸菌感染症、五類の麻しんやインフルエンザ)とその特徴を正確に識別できるかを確認しましょう。
関連知識
感染症法では、感染症の種類に応じて医療費助成、入院勧告、就業制限、消毒措置などの公衆衛生対策が定められています。看護師はこれらの法的な枠組みを理解し、患者指導や地域連携において適切に対応する知識が求められます。また、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症といった分類についても合わせて学習することが重要です。