ワクチン接種後の抗体産生について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ワクチン接種を複数回行うことで、免疫記憶が形成・強化され、その抗原に対する抗体産生能が格段に向上します。初回接種で産生された記憶細胞が、2回目以降の接種で迅速かつ大量に抗体を産生するため、免疫効果が高まります。
選択肢ごとの解説
- 1. 好中球は主に細菌などの病原体を貪食し消化する役割を担いますが、抗原をT細胞に提示する主要な細胞ではありません。正しくは:ワクチン内の抗原をT細胞に提示するのは、主に樹状細胞やマクロファージ、B細胞といった抗原提示細胞です。選びやすい理由:好中球が免疫細胞であるため、免疫反応の一部を担うと誤解されやすい。混同注意:食細胞としての役割と抗原提示細胞としての役割を混同しやすい。
- 2. 抗原が初めて体内に侵入した際に、免疫系が最初に産生する抗体はIgMです。正しくは:抗原に対して最初に産生される抗体はIgMです。IgAは主に唾液、涙、母乳などの分泌液や粘膜表面で機能します。選びやすい理由:各抗体の機能が混同されやすい。IgAが分泌型免疫グロブリンとして知られているため、特定の状況下で最初に産生されると誤解される可能性がある。混同注意:初回免疫応答時の抗体と、特定の部位(粘膜など)で優位な抗体種を混同しやすい。
- 3. 血中において最も高い濃度で存在する抗体はIgGです。IgMは初回免疫応答の初期に多く産生されますが、その血中濃度は通常、IgGほど高く持続しません。正しくは:成人の血中で最も高い濃度を示す抗体はIgGです。IgMは初期免疫応答で大量に産生されますが、その後はIgGに移行します。選びやすい理由:IgMが初期免疫で重要な役割を果たすため、その量が最も多いと誤解されやすい。混同注意:初回免疫応答におけるIgMの重要性と、成人血中における絶対量や持続性を混同しやすい。
- 4. 正解。ワクチンを複数回接種(追加免疫、ブースター接種)することで、免疫記憶が確立・強化され、抗体の産生量がさらに増加し、より高い免疫効果が得られます。これは、記憶B細胞や記憶T細胞が効率的に活性化されるためです。
国試ポイント
ワクチンの作用機序、特に獲得免疫における免疫記憶と抗体産生増強のメカニズムを理解しているか問う問題です。各免疫グロブリンの特徴や抗原提示細胞の役割といった基礎知識も同時に問われています。
混同注意
各免疫グロブリン(IgG, IgM, IgA, IgE, IgD)の主な機能、存在部位、免疫応答における役割を混同しやすいです。また、抗原提示細胞と他の免疫細胞の役割分担も誤解しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
ワクチンの種類(生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイド、mRNAワクチンなど)とそれぞれの免疫獲得機序の違い、特定の疾患に対するワクチンの効果と副反応、集団免疫についても確認しましょう。
関連知識
獲得免疫(液性免疫、細胞性免疫)の仕組み、抗体(免疫グロブリン)の種類とそれぞれの特徴(IgG, IgM, IgA, IgE, IgD)、免疫記憶のメカニズム(記憶B細胞、記憶T細胞)、抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージ、B細胞)の役割、ワクチンの種類と作用機序。