加齢に伴う高齢者の循環器系の変化で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第111回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
加齢とともに心筋細胞が肥大し、特に左心室の壁は厚くなる傾向が見られます。これは心臓のポンプ機能に影響を与え、拡張障害の原因にもなります。選択肢3は加齢に伴う心臓の形態的変化として正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. 加齢とともに心臓の予備能力が低下するため、運動時の心拍出量はむしろ増加しにくくなるか、低下傾向を示します。最大心拍数も減少します。正しくは:運動時の心拍出量が増大しにくくなる。選びやすい理由:運動すれば心臓が鍛えられ、心拍出量が増えるという誤解。混同注意:安静時の心拍出量と運動時の予備能力の混同。
- 2. 加齢により動脈硬化が進むと、血管の弾力性が失われ、収縮期血圧は上昇しますが、拡張期血圧は比較的横ばいか、むしろ下降傾向を示すことが多いです。そのため脈圧は拡大します。正しくは:収縮期血圧が上昇する。選びやすい理由:加齢とともに血圧全体が上昇するという漠然としたイメージ。混同注意:収縮期血圧と拡張期血圧の変化の区別。
- 3. 正解。加齢に伴い心筋細胞が肥大し、特に左心室の壁は厚くなる傾向があります。これは心臓が硬くなり、拡張期充満が障害される原因にもなります。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:心臓の肥大が常に病的なものと捉えがちだが、加齢性変化として起こりうる。混同注意:生理的肥大と病理的肥大の区別が難しい場合がある。
- 4. 加齢に伴う動脈硬化の進行により、収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は相対的に変化が少ないか下降するため、収縮期血圧と拡張期血圧の差である脈圧は拡大する傾向にあります。正しくは:脈圧が拡大する。選びやすい理由:血圧変動が大きくなると脈圧が狭くなるという誤解。混同注意:脈圧と血圧そのものの概念の混同。
国試ポイント
高齢者の生理的変化、特に循環器系の特徴を理解しているかが問われます。心臓の構造的変化(心室壁肥厚)、血圧の変化(収縮期血圧上昇、脈圧拡大)、運動耐容能の低下などが重要です。
混同注意
加齢に伴う心機能の変化は多岐にわたり、病的な変化と生理的な変化の区別が難しい場合があります。特に運動時の心拍出量や脈圧の変化は、他の選択肢と混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
加齢による循環器系の変化を理解した上で、高齢者のアセスメントにおいてどのような点に注意すべきか、具体的な看護ケアにどう活かすかを考察する問題へ発展する可能性があります。
関連知識
加齢による心臓の変化として、心筋の弾力性低下、弁の石灰化、洞結節細胞の減少、バルセロ反射の鈍化なども挙げられます。これらが総合的に心機能の低下を引き起こします。