多発性筋炎と診断された成人の症状について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
多発性筋炎は、主に肩や股関節などの体幹に近い筋肉(近位筋)に炎症が起こり、筋力低下を引き起こす自己免疫疾患です。そのため、物を持ち上げる、腕を上げる、立ち上がる、階段を昇るなどの動作が困難になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 両頬の紅斑は、多発性筋炎よりも皮膚筋炎に特徴的な症状です。正しくは:多発性筋炎では皮膚症状は認められません。選びやすい理由:多発性筋炎と皮膚筋炎の混同混同注意:皮膚筋炎では特徴的な皮膚症状が見られますが、多発性筋炎は筋肉症状が主体です。
- 2. 多発性筋炎は通常、体幹に近い近位筋の筋力低下を特徴とします。足関節を動かすのは遠位筋の機能であり、初期には影響を受けにくいです。正しくは:近位筋の筋力低下が主体であるため、物を持てないなどの症状が見られます。選びやすい理由:筋力低下があるため、全身の関節が動かせなくなるという誤解混同注意:多発性筋炎の筋力低下は、近位筋(肩、股関節周囲)から始まり、遠位筋(手、足)は比較的保たれることが多いです。
- 3. 正解。多発性筋炎は肩や股関節周囲の筋力低下(近位筋の筋力低下)を特徴とします。物を持ち上げる動作は上肢の近位筋を使用するため、この症状は多発性筋炎に合致します。選びやすい理由:他の筋疾患との鑑別混同注意:近位筋の筋力低下が進行すると、立ち上がりや階段昇降、腕を上げるなどの動作が困難になります。
- 4. 温熱刺激で手指が白色になる現象(レイノー現象)は、強皮症や全身性エリテマトーデスなどの膠原病でよく見られますが、多発性筋炎の主要な症状ではありません。正しくは:これはレイノー現象であり、多発性筋炎よりは強皮症などで見られる症状です。選びやすい理由:他の膠原病症状との混同混同注意:レイノー現象は血管攣縮によるもので、多発性筋炎の主な病態である筋炎とは異なります。
国試ポイント
多発性筋炎と皮膚筋炎の鑑別、および多発性筋炎における筋力低下の部位(近位筋)を理解しているかが問われています。典型的な症状を正確に把握することが重要です。
混同注意
多発性筋炎と皮膚筋炎はよく混同されがちですが、皮膚筋炎には特徴的な皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候など)がある点が異なります。また、筋力低下の部位(近位筋と遠位筋)も重要な鑑別点です。
次に同じ論点が出たら
患者が物を持ち上げられないと訴えた際に、他の症状や検査値と合わせて多発性筋炎を疑い、適切な診断・治療へと繋げられるか。
関連知識
多発性筋炎の診断には、筋酵素(CK、LDHなど)の上昇、筋電図異常、筋生検所見が用いられます。治療にはステロイドが第一選択薬となります。