肝動脈塞栓術〈TAE〉の適応となる疾患はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
肝動脈塞栓術(TAE)は、肝細胞癌が主に肝動脈から栄養を得るという特性を利用した治療法です。肝動脈にカテーテルを挿入し、塞栓物質を注入することで腫瘍への血流を遮断し、腫瘍を壊死させます。他の選択肢の疾患はTAEの適応とはなりません。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝囊胞は一般的に良性の病変であり、症状がない場合は経過観察が主流です。症状がある場合でも、穿刺吸引や外科的切除が選択され、肝動脈塞栓術は適用されません。正しくは:肝囊胞の治療は、症状に応じた経過観察、穿刺吸引、外科的切除などです。選びやすい理由:肝臓の病変であるため関連性があるように見えるかもしれませんが、TAEの治療メカニズムとは異なります。混同注意:肝臓の良性病変に対してTAEが適用されると誤解する可能性があります。
- 2. 脂肪肝は肝臓に脂肪が過剰に蓄積する状態であり、生活習慣の改善(食事療法、運動療法)や原疾患の治療が中心となります。肝動脈塞栓術は血管を詰める治療であり、脂肪肝の病態には適応されません。正しくは:脂肪肝の治療は、食事・運動などの生活習慣改善や原因疾患の治療が基本です。選びやすい理由:肝臓の疾患であるため、治療法があるように感じられますが、TAEとは直接的な関連性はありません。混同注意:肝臓のどの疾患に対しても血管治療が有効であると誤解する可能性があります。
- 3. 正解。肝細胞癌は肝臓の動脈から栄養供給を受ける特徴があり、肝動脈塞栓術(TAE)はこの動脈を塞栓することで腫瘍への血流を遮断し、栄養供給を阻害して腫瘍を壊死させることを目的とした治療法です。特に手術が困難な場合や、経皮的局所療法と組み合わせて適用されます。正しくは:肝細胞癌は肝動脈から栄養供給されるため、TAEは腫瘍の血流を遮断し、治療効果が期待できます。選びやすい理由:TAEが様々な肝疾患に適用されると考えるかもしれません。混同注意:肝細胞癌以外の肝疾患にもTAEが適用されると混同する可能性があります。
- 4. 急性A型肝炎はA型肝炎ウイルスによる感染症であり、対症療法が基本となります。肝動脈塞栓術は感染症の治療法としては適用されません。正しくは:急性A型肝炎はウイルス感染症であり、対症療法が主な治療です。選びやすい理由:肝臓の炎症性疾患であるため、治療が必要であると感じられますが、TAEとは治療メカニズムが異なります。混同注意:肝臓の炎症性疾患に対して血管治療が有効であると誤解する可能性があります。
国試ポイント
肝動脈塞栓術(TAE)の基本的な適応疾患とその作用機序を理解しているかが問われています。特に、肝細胞癌が肝動脈からの血流に依存しているという生理学的な知識が重要です。
混同注意
肝臓に発生する様々な疾患と、それぞれの治療法の適応範囲を混同しやすいです。良性疾患、炎症性疾患、悪性腫瘍で治療戦略が大きく異なることを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
TAEの具体的な手技や塞栓物質の種類、治療後の看護について問われる可能性があります。
関連知識
肝細胞癌の他の治療法(肝切除術、ラジオ波焼灼療法RFA、肝移植など)、各肝疾患の病態生理と標準治療、TAEの手技と合併症。