中心静脈から投与しなければならないのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高カロリー輸液は、高濃度の糖質、アミノ酸などを主成分とし、その浸透圧は生理食塩水の数倍にも達します。このような高浸透圧液を末梢静脈から投与すると、血管内皮細胞への刺激が強く、静脈炎や血栓性静脈炎といった重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。そのため、血流の豊富な中心静脈にカテーテルを留置し、希釈されやすい状態で投与することが必須とされています。
選択肢ごとの解説
- 1. 脂肪乳剤は末梢静脈からの投与も可能です。特に短期間の投与や、末梢血管の状態が良い場合には選択されます。正しくは:末梢静脈からも投与可能である。選びやすい理由:高カロリー輸液の一部として中心静脈から投与されるイメージがあるため、迷う可能性があります。しかし、脂肪乳剤単体であれば末梢投与も可能です。混同注意:脂肪乳剤と高カロリー輸液が混同されやすい。高カロリー輸液は全体として高浸透圧であり中心静脈が必須だが、脂肪乳剤単独では浸透圧が低く末梢投与が可能である。
- 2. 生理食塩液は等張液であり、末梢静脈から日常的に投与されています。正しくは:末梢静脈から投与可能である。選びやすい理由:最も一般的な輸液であるため、深く考えずに選択してしまう可能性があります。混同注意:生理食塩液の浸透圧や組成について理解が不十分だと、誤って選択する可能性がある。
- 3. 低濃度のブドウ糖液(例:5%ブドウ糖液)は等張またはそれに近く、末梢静脈から投与可能です。高濃度のブドウ糖液(例:10%以上)は浸透圧が高く、中心静脈からの投与が推奨されますが、「%ブドウ糖液」だけでは特定できません。この選択肢では、中心静脈投与が必須とは断定できません。正しくは:低濃度のブドウ糖液であれば末梢静脈から投与可能である。選びやすい理由:高濃度のブドウ糖液をイメージして、中心静脈が必要だと誤解する可能性があります。しかし、問題文は単に「%ブドウ糖液」と記載されており、具体的な濃度が不明なため、一概に中心静脈が必要とは言えません。混同注意:ブドウ糖液の濃度による浸透圧の違いと、それに応じた投与経路の選択を理解できていないと、誤って選択する可能性がある。
- 4. 正解。高カロリー輸液は、高濃度のブドウ糖やアミノ酸を含むため浸透圧が非常に高く、末梢静脈から投与すると血管痛や静脈炎を引き起こしやすいため、中心静脈から投与する必要があります。正しくは:正答。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、正しく選ぶことが期待されます。混同注意:他の輸液と高カロリー輸液の組成や浸透圧の違いを理解していないと、中心静脈投与の必要性が不明確になる。
国試ポイント
輸液の種類と投与経路の適切な選択に関する知識が問われています。特に、高浸透圧液の投与には中心静脈が必要であることを理解しているかが重要です。各輸液の組成や浸透圧、それによって生じる血管への影響を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
脂肪乳剤や高濃度のブドウ糖液と高カロリー輸液の区別が曖昧な場合、誤った選択をしてしまう可能性があります。脂肪乳剤は単独では浸透圧が低く末梢投与可能であり、ブドウ糖液も濃度によっては末梢投与可能です。これに対し、高カロリー輸液は複数の高浸透圧成分が複合されているため、中心静脈が必須となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た際には、輸液の組成とその浸透圧、それによる血管への影響を念頭に置いて、適切な投与経路を選択できるよう判断する。
関連知識
輸液の浸透圧、血管炎の機序、中心静脈カテーテルの管理、末梢静脈確保の適応と禁忌、輸液の種類(等張液、低張液、高張液)とそれぞれの特徴。