上部消化管内視鏡検査で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
上部消化管内視鏡検査では、検査時に胃内に食物が残っていると、正確な観察ができません。また、吐き気によって誤嚥のリスクも高まります。そのため、検査前日の夕食後から検査まで、8〜12時間程度の禁食が指示されます。飲水も検査の2〜3時間前からは制限されることが一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. 上部消化管内視鏡検査は胃や十二指腸の観察が目的であり、腸管内容物を排出するための緩下薬は通常必要ありません。緩下薬は主に大腸内視鏡検査の前処置として用いられます。正しくは:検査前には、胃の泡を消すための消泡剤などを服用することがある。選びやすい理由:内視鏡検査では前処置として薬を飲むという認識があるため、緩下薬もその一つだと思ってしまう可能性があります。混同注意:上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)の前処置を混同しています。
- 2. 正解。上部消化管内視鏡検査では、胃や十二指腸の内部を正確に観察するために、胃を空にする必要があります。一般的に、検査前日の夕食以降、最低でも8〜10時間、場合によっては12時間程度の禁食が求められます。飲水も制限されることが多いです。
- 3. 上部消化管内視鏡検査では、誤嚥を防ぎ、内視鏡の挿入をスムーズに行うために、通常「左側臥位」で検査を行います。右側臥位では胃の噴門部が上を向き、唾液や胃液の誤嚥リスクが高まることがあります。正しくは:検査時の体位は左側臥位とする。選びやすい理由:「横向き」という点は合っているため、左右のどちらかという点で迷いやすく、右側臥位が楽な体位だと誤解することがあります。混同注意:左側臥位と右側臥位の目的や影響を混同しています。
- 4. 検査中に咽頭麻酔薬を使用した場合、麻酔の効果が残っていると嚥下反射が十分に機能せず、飲食物の誤嚥リスクがあります。そのため、麻酔が完全に切れ、嚥下反射が回復するまで(通常1〜2時間程度)は飲食を控える必要があります。正しくは:終了後、咽頭麻酔が切れて嚥下反射が戻るまで飲食は控える。選びやすい理由:検査が無事に終わったという安心感から、すぐに日常の活動に戻れると思ってしまいがちです。混同注意:検査そのものの終了と、安全に飲食が再開できるまでの時間の区別がついていません。
国試ポイント
上部消化管内視鏡検査の検査前・中・後の看護について、基本的な知識が問われています。特に、検査前の禁食時間、検査中の体位、検査後の飲食制限は、患者の安全と検査の成功に直結するため重要です。
混同注意
上部消化管内視鏡検査と下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)の前処置、検査中の体位(左側臥位と右側臥位)、検査後の飲食開始時期を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、下部消化管内視鏡検査との前処置や体位の違い、鎮静剤使用時の観察項目、検査後の合併症(出血、穿孔など)の兆候と観察点、患者への具体的な説明方法といった応用的な知識が問われる可能性があります。
関連知識
禁食時間の具体的な理由(胃内容物の除去、誤嚥防止)、左側臥位の理由(内視鏡の挿入のしやすさ、誤嚥防止)、咽頭麻酔の種類と効果持続時間、誤嚥性肺炎のリスク、検査中に使用される薬剤(鎮静剤、消泡剤、咽頭麻酔)の作用と副作用について理解しておく必要があります。