成年後見制度で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
成年後見制度そのものは民法に基づく制度ですが、その利用を促進・支援するための「成年後見制度利用支援事業」は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の一つとして市町村が実施しています。この事業を通じて、成年後見制度の利用が地域生活支援と密接に関連していると解釈され、この選択肢が正しいと判断されます。他の選択肢は、成年後見制度の対象者、申し立て先、および法定後見制度と任意後見制度の明確な定義から誤りであると分かります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。成年後見制度そのものは民法に基づく制度ですが、その利用を円滑にするための「成年後見制度利用支援事業」は、障害者総合支援法に定められた市町村の地域生活支援事業の一つです。経済的な理由などで成年後見制度の利用が困難な方への費用助成や、後見人等候補者の紹介などがこの事業に含まれます。設問の意図は、この支援事業を通じて成年後見制度が地域生活支援事業と関連している点を問うていると解釈できます。
- 2. 成年後見制度の対象となるのは、精神上の障害(認知症、知的障害、精神障害など)により判断能力が不十分なため、ご自身で財産管理や契約などの法律行為を行うことが難しい方です。ほとんどの事柄を自分で判断できる方は、そもそもこの制度の対象とはなりません。正しくは:後見制度の対象となるのは、精神上の障害により判断能力が不十分な人です。選びやすい理由:成年後見制度の目的が「支援」であるため、「多少の判断能力があっても支援対象になる」と誤解する可能性があります。混同注意:判断能力がある人が利用する「任意後見制度」や、判断能力がやや不十分な「保佐」「補助」制度と混同しやすいですが、「後見」の対象者は最も判断能力が低い状態の人です。
- 3. 成年後見制度の利用を開始するための審判は、家庭裁判所に申し立てます。社会福祉協議会は成年後見制度に関する相談を受けたり、利用支援を行ったりする役割がありますが、直接の申し立て先ではありません。正しくは:後見開始の審判を申し立てる場所は、家庭裁判所です。選びやすい理由:社会福祉協議会が高齢者や障害者の支援に深く関わっているため、関連機関として申し立て先だと勘違いしやすいです。混同注意:社会福祉協議会が相談窓口の一つであることと、正式な申し立て先である家庭裁判所を混同しやすいです。
- 4. 将来判断能力が低下した場合に備えて、あらかじめご自身で後見人を選んで契約しておくのは「任意後見制度」です。これに対し「法定後見制度」は、既に判断能力が不十分な状態になった後で、家庭裁判所が後見人等を選任する制度を指します。正しくは:法定後見制度は、判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が後見人等を選任する制度のことです。選びやすい理由:「後見制度」という大枠で捉え、任意後見制度と法定後見制度の違いを認識していない場合に選びやすいです。混同注意:任意後見制度と法定後見制度の区別、特に「備えあらかじめ」というキーワードが任意後見制度を指す点について混同しやすいです。
国試ポイント
成年後見制度の目的、対象者、種類(法定後見と任意後見)、そして関連する社会資源や制度(地域生活支援事業など)について、正確な理解が問われます。特に、それぞれの制度の名称と内容、役割の違いを区別できるかが重要です。
混同注意
成年後見制度そのものと、成年後見制度利用支援事業の混同、法定後見制度と任意後見制度の目的と機能の混同、家庭裁判所と社会福祉協議会の役割の混同、「後見」の対象者と「保佐」「補助」の対象者の判断能力レベルの混同などが挙げられます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、成年後見制度のそれぞれの類型の判断能力の程度、申立てができる者、後見人等の職務内容、及び費用助成などの支援制度について、より具体的な知識が問われる可能性があります。また、任意後見契約の具体的内容や、公正証書作成の必要性なども確認する必要があるでしょう。
関連知識
民法:成年後見制度の根拠法。障害者総合支援法:地域生活支援事業の根拠法。成年後見の種類:法定後見(後見、保佐、補助)、任意後見。申し立て手続き:家庭裁判所への申し立て、必要な書類、費用。後見人の役割:財産管理、身上保護。