片側性の末梢性顔面神経麻痺の症状はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
片側性の末梢性顔面神経麻痺では、麻痺側の顔面表情筋全体が機能障害を起こします。そのため、口角を引き上げることができなくなり垂れ下がる症状(口角下垂)や、額のしわを寄せることができなくなり左右差が生じる症状が現れます。
選択肢ごとの解説
- 1. 顔面神経麻痺では眼瞼下垂は直接的な症状ではありません。眼瞼を引き上げる筋肉(上眼瞼挙筋)は動眼神経(脳神経Ⅲ)支配であり、顔面神経麻痺では影響を受けません。顔面神経が支配するのは眼輪筋で、麻痺すると目を閉じにくくなります(兎眼)。正しくは:眼輪筋が麻痺し、目を完全に閉じられなくなる(兎眼が生じる)。選びやすい理由:顔面に関連する症状であり、まぶたの症状は顔面神経麻痺と関連があるように感じやすい。混同注意:動眼神経麻痺による眼瞼下垂と混同しやすいです。
- 2. 顔面神経は表情筋の運動を司る運動神経であり、顔面の知覚は三叉神経(脳神経Ⅴ)が担当しています。したがって、顔面神経麻痺では通常、知覚の異常は起こりません。正しくは:顔面の表情筋が動きにくくなる。選びやすい理由:「顔面神経」という名称から、顔面全体の機能(運動と知覚)に影響があると誤解しやすい。混同注意:三叉神経麻痺による顔面知覚障害と混同しやすいです。
- 3. 正解。顔面神経は口角を引き上げる筋肉(口角挙筋など)を含む表情筋を支配しています。末梢性顔面神経麻痺では、麻痺側の表情筋が弛緩するため、口角が重力によって下垂します。
- 4. 複視は眼球運動に関わる神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)の麻痺や眼筋の障害によって生じる症状です。顔面神経は眼球運動には関与しないため、直接的な症状ではありません。正しくは:涙の分泌が減少する(顔面神経の自律神経成分)。選びやすい理由:目に関する症状であるため、顔面神経麻痺と関連があるように感じやすい。混同注意:動眼神経、滑車神経、外転神経麻痺による複視と混同しやすいです。
- 5. 正解。額のしわを作る前頭筋は顔面神経に支配されています。末梢性顔面神経麻痺では、麻痺側の前頭筋が機能しないため、額にしわを寄せようとしても麻痺側だけしわが寄らず、非麻痺側にのみしわが寄るため、左右差が生じます。この症状は中枢性顔面神経麻痺との鑑別点でもあります。
国試ポイント
顔面神経麻痺の主要な症状、特に末梢性顔面神経麻痺の徴候を正確に理解しているかが問われます。中枢性顔面神経麻痺との鑑別点(特に額のしわの有無)も重要なポイントです。
混同注意
顔面神経は運動神経であり、顔面の知覚を司る三叉神経(脳神経Ⅴ)や眼球運動を司る動眼神経(脳神経Ⅲ)、滑車神経(脳神経Ⅳ)、外転神経(脳神経Ⅵ)の機能と混同しやすいです。また、末梢性顔面神経麻痺と中枢性顔面神経麻痺の症状の違い(額のしわの有無)もよく問われます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、顔面神経を含む脳神経の各神経がどの部位を支配し、どのような機能を果たしているかを正確に把握できているかを確認する必要があります。特に末梢性か中枢性かで症状が異なる部位(額など)に注目し、鑑別できるようになることが求められます。
関連知識
顔面神経(脳神経VII)の支配領域と機能(表情筋の運動、涙腺・唾液腺の分泌、舌前2/3の味覚)を理解することが重要です。ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の概念や、顔面神経麻痺患者の眼の保護、食事摂取援助などの看護も関連知識として学習が必要です。