肝細胞癌で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
肝細胞癌は、日本における原発性肝臓がんの中で最も発生頻度が高く、多くを占めます。また、診断には腹部超音波検査がスクリーニングや初期診断に広く用いられ、特にリスク群の患者への定期的な検査が重要です。黄疸は進行期の症状であり、初期には稀です。腫瘍マーカーはAFPやPIVKA-IIが特異性が高く、CEAではありません。また、肝細胞癌は肝細胞から発生するものであり、胆管細胞から発生するのは肝内胆管細胞癌です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肝細胞癌の初期には、肝機能がまだ比較的保たれているため、黄疸が出現することは稀です。黄疸は、癌が進行して胆管を閉塞したり、肝臓の広範囲に及んで肝機能が著しく低下したりした場合にみられます。正しくは:黄疸は肝細胞癌が進行し、肝機能が低下したり胆道が閉塞したりすることで出現する症状であり、初期段階では稀である。選びやすい理由:肝臓は胆汁の生成に関わるため、肝臓の病気である肝細胞癌と聞くと、黄疸を連想しやすいかもしれません。混同注意:胆道系の癌(胆管細胞癌など)や、肝炎、肝硬変の末期など、重度の肝障害を伴う他の肝疾患での黄疸出現と混同しやすいです。
- 2. 正解。肝臓に発生するがんは、そのほとんどが肝細胞癌です。原発性肝臓がんのうち、約85〜90%が肝細胞癌であり、次いで肝内胆管細胞癌が続きます。
- 3. 正解。腹部超音波検査は、肝細胞癌のスクリーニング検査として非常に重要であり、診断のきっかけとなります。非侵襲的で繰り返し行えるため、特に肝炎や肝硬変など高リスク患者の定期検査に広く活用されています。異常が発見された場合は、CTやMRIなどの精密検査に進みます。
- 4. 肝細胞癌の主要な腫瘍マーカーは、主にα-フェトプロテイン(AFP)やP-IIKA(PIVKA-II)です。CEA(癌胎児性抗原)は、消化器系癌(大腸がん、胃がん、膵臓がんなど)で上昇することが多いマーカーであり、肝細胞癌では特異性が高くありません。正しくは:肝細胞癌の特異性の高い腫瘍マーカーはα-フェトプロテイン(AFP)やPIVKA-IIである。選びやすい理由:腫瘍マーカーはたくさん種類があり、混乱しやすい。CEAは有名な腫瘍マーカーであるため、つい選んでしまいがちです。混同注意:α-フェトプロテイン(AFP)やPIVKA-II(DCP)といった肝細胞癌特有の腫瘍マーカーと、CEAなど他の癌で用いられる一般的な腫瘍マーカーが混同されやすいです。
- 5. この説明は「肝内胆管細胞癌」に該当します。肝細胞癌は、肝臓の実質細胞である肝細胞が癌化したものです。正しくは:肝細胞癌は、肝臓の実質細胞である肝細胞が癌化したものである。選びやすい理由:肝臓のどこかに発生する癌であるという共通点から、肝臓内の構造(肝細胞と胆管細胞)の違いを認識していなければ選びやすいかもしれません。混同注意:肝臓には肝細胞と胆管細胞という主要な細胞があり、それぞれが癌化した場合は異なる種類の癌(肝細胞癌と肝内胆管細胞癌)になるという区別が混同しやすいです。
国試ポイント
肝細胞癌に関する基本的な知識が問われています。疫学(発生頻度)、診断方法、症状の出現時期、主要な腫瘍マーカー、そして発生源となる細胞の種類について正確に理解しているかが試されます。特に、他の肝臓疾患や異なる種類の肝臓がんと混同しないよう、各項目を明確に区別できることが重要です。
混同注意
肝細胞癌と肝内胆管細胞癌の違い(発生細胞、腫瘍マーカーなど)。肝癌の早期症状と進行期症状。一般的な腫瘍マーカー(CEA)と肝細胞癌に特異的な腫瘍マーカー(AFP, PIVKA-II)の混同。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、肝細胞癌の発生要因、治療法、および病期別の主要な看護問題について、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
肝細胞癌の主な原因(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎など)、治療法(肝切除、ラジオ波焼灼療法RFA、肝動脈化学塞栓療法TACE、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬など)、看護ケア(症状マネジメント、心理的サポート、生活指導など)。