成人の口腔内吸引で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第115回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
口腔内吸引では、吸引カテーテルを挿入する際に吸引圧をかけると、粘膜を吸引管に吸い込み損傷させてしまう危険性があります。そのため、カテーテルは陰圧をかけずに挿入し、所定の深さに到達してから吸引を開始することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 口腔内は元々多くの細菌が存在する非滅菌領域であるため、清潔操作で行うのが適切です。無菌操作が必要なのは、気管内吸引など無菌的に保つべき部位への操作です。正しくは:吸引処置は清潔操作で行う。選びやすい理由:清潔操作と無菌操作の区別が曖昧な場合、感染予防のためにはより厳格な無菌操作が良いと考えてしまう可能性がある。混同注意:無菌操作は完全に微生物を除去した状態で実施する手技であり、清潔操作は微生物の数を減らし、伝播を防止する手技である。
- 2. 吸引時間が長すぎると、体内の酸素が減少したり、粘膜を損傷したりする危険性が高まります。通常、1回の吸引は10~15秒以内で行うのが推奨されています。正しくは:1回の吸引にかける時間は10~15秒以内とする。選びやすい理由:しっかりと吸引するためには時間がかかる、と誤解する可能性がある。混同注意:吸引時間が長すぎると低酸素血症や迷走神経反射による不整脈などを引き起こすリスクがある。
- 3. 正解。カテーテル挿入時に吸引圧をかけると、気道粘膜を吸引チューブに吸い付けてしまい、粘膜損傷を引き起こす可能性があります。そのため、カテーテル挿入時は吸引圧をかけずにスムーズに挿入し、適切な位置に達してから吸引を開始します。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:吸引の目的を考えると、常に吸引圧をかける必要があると誤解する可能性がある。混同注意:吸引の原理と粘膜保護の必要性を理解していないと誤解しやすい。
- 4. 成人における口腔内吸引圧の目安は、一般的に15~20 kPa(100~150 mmHg)程度です。100 kPa(約750 mmHg)は非常に高圧であり、粘膜損傷のリスクが極めて高まります。正しくは:吸引器の圧力は 15~20 kPa を目安とする。選びやすい理由:kPaという単位に慣れていないと、数値の大小判断がつきにくい可能性がある。混同注意:吸引圧の適切な設定値を把握していないと、誤った選択をしてしまう。単位換算(1kPa ≒ 7.5mmHg)を理解しているかも重要。
国試ポイント
口腔内吸引の基本的な手順、特に安全な吸引実施のための注意点(清潔操作 vs 無菌操作、吸引時間、吸引圧の管理)が問われています。患者の安全と安楽に配慮した技術の理解が求められます。
混同注意
口腔内吸引と気管内吸引の操作の違い(無菌/清潔、吸引圧、時間など)が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
吸引の目的と危険性を考慮し、各手技の理由を理解しているか。
関連知識
吸引の適応、禁忌、合併症、吸引の種類(口腔内、鼻腔内、気管内)、吸引時の体位、吸引チューブの選択、吸引の前後におけるアセスメント、患者への声かけ。