令和2年(2020年)の患者調査における入院医療で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
2020年(令和2年)の患者調査報告によれば、疾病大分類別の平均在院日数は「精神及び行動の障害」が他の疾病に比べて圧倒的に長く、最長であることが示されています。これは、精神科医療の特性上、長期的なケアや治療が必要となるケースが多いことによるものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 患者調査のデータによると、医療受療率には都道府県間で有意な差が存在します。地域ごとの医療資源の偏りや、住民の健康状態、受療行動の違いなどが影響しています。正しくは:各都道府県間における医療受療率には差が見られる。選びやすい理由:全国平均のデータから、地域差がないと誤解しやすい。あるいは、医療均等化の理念から差がないと想像してしまう。混同注意:全国一律の医療サービス提供体制と、実際の受療状況の地域差とを混同しやすい。
- 2. 2020年患者調査における入院医療の推定患者数(主傷病別)で最も多いのは「新生物」(がん)です。循環器系の疾患は2番目に多いカテゴリーとなります。正しくは:最も推定患者数が多いのは、新生物(がん)である。選びやすい理由:外来を含む総患者数では高血圧性疾患(循環器系)が最も多いため、入院患者数でも同様だと勘違いしやすい。混同注意:入院患者数と、外来患者数を含む総患者数とを混同しやすい。
- 3. 入院の医療受療率は年齢とともに上昇する傾向にあり、最も高いのは90歳以上の年齢階級です。80歳代は非常に高い受療率ですが、最高ではありません。正しくは:年齢層別に見ると、医療受療率が最も高いのは90歳以上のグループである。選びやすい理由:80歳代は高齢者であり、医療機関の利用が非常に多いため、最高であると推測しやすい。混同注意:非常に高い(high)ことと、最も高い(highest)ことの区別を誤りやすい。
- 4. 正解。2020年患者調査によると、疾病分類別で平均在院日数が最も長いのは「精神及び行動の障害」であり、これは精神科病院における長期入院患者が多いことに起因します。この傾向は長年続いています。
国試ポイント
この問題は、国の主要な医療統計である患者調査(特に2020年版)から、入院医療に関する基本的な知識が問われています。都道府県別の受療率の差、疾患別の患者数、年齢階級別の受療率、そして疾患別の平均在院日数といった主要な指標と、それぞれの傾向や特徴を正確に理解しているかが試されます。特に、全体的な患者数と入院患者数、あるいは受療率の絶対値と最高値の区別など、細かな数値の把握が求められる点に注意が必要です。
混同注意
外来患者を含む総患者数と入院患者数のみの統計を混同しやすい点が挙げられます。また、受療率が高い年齢層を特定する際に、「非常に高い」と「最も高い」を区別できないと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
次に類似の設問が出た場合、まず『何の調査の、どの年のデータか』『何について問われているか(入院・外来、患者数・受療率・在院日数など)』を明確に把握することが重要です。そして、それぞれの項目で『最も多い/少ない』『最も長い/短い』といった極端な値を持つカテゴリーを正確に覚えておく必要があります。特に、時系列での変化や、特定の疾患群(例:がん、循環器疾患、精神疾患)の動向は頻出です。
関連知識
患者調査の他にも、国民健康・栄養調査、人口動態統計、医療施設調査といった公衆衛生統計の基本的な内容と、それぞれの調査が示す日本の医療や健康の現状について理解しておくことが重要です。特に、高齢化社会における医療ニーズの変化や、地域医療の格差といった社会背景と絡めて学習すると良いでしょう。