創傷処置について適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
感染兆候のない創傷に対して消毒薬を使用すると、正常な細胞にもダメージを与え、創傷治癒を妨げる可能性があります。そのため、清潔な創傷では消毒は不要であり、生理食塩水などでの洗浄が推奨されます。
選択肢ごとの解説
- 1. ドレッシング材は創部全体を覆い、その周囲の皮膚にも十分な接着面を確保するために、創部の辺縁よりも大きく貼付する必要があります。辺縁に合わせると、外部からの汚染リスクが高まり、滲出液の漏れが生じやすくなります。正しくは:ドレッシング材は創部を完全に覆うように、創部より一回り大きく貼付する。選びやすい理由:一見すると適切に見えるが、創部保護と滲出液管理の観点から不適切。混同注意:「辺縁に合わせて」という表現が、ぴったりと覆うという意味に誤解されがち。
- 2. 肉芽組織は非常にデリケートであり、強い水圧で洗浄すると損傷しやすく、かえって治癒を遅らせる原因となります。肉芽形成期は、生理食塩水などで優しく洗浄することが重要です。正しくは:肉芽形成期は、生理食塩水などを用いて弱い水圧で優しく洗浄する。選びやすい理由:洗浄が重要であることは正しいが、水圧の強さが誤り。混同注意:洗浄の必要性と水圧の適切さを混同する可能性がある。
- 3. 正解。感染の兆候がない清潔な創傷に対しては、消毒薬の使用は推奨されません。消毒薬は細胞傷害性を持つことがあり、肉芽形成を阻害したり、創傷治癒を遅らせたりする可能性があります。生理食塩水による洗浄が基本となります。選びやすい理由:消毒は清潔を保つために常に必要と考えがちだが、創傷治癒の観点からは不適切。混同注意:一般的な「消毒」のイメージと、創傷ケアにおける「消毒」の適応を混同する。
- 4. 医療用テープを皮膚から垂直方向に剥がすと、皮膚に過度な牽引力がかかり、皮膚剥離や皮膚損傷を引き起こすリスクが高まります。テープは皮膚の表面と平行になるように、ゆっくりと皮膚を押さえながら剥がすのが適切です。正しくは:テープは皮膚の表面と平行になるように、皮膚を押さえながらゆっくりと剥がす。選びやすい理由:素早く剥がす方が皮膚への負担が少ないと誤解しがち。混同注意:テープを剥がす際の基本的な皮膚保護の原則を理解していないと間違える。
国試ポイント
創傷ケアの基本的な原則と、各処置の適切な実施方法を理解しているかが問われます。特に、消毒の適応、肉芽組織の保護、ドレッシング材の適切な使用、テープ剥離時の皮膚保護が重要です。
混同注意
「消毒すればより清潔になる」という一般的な認識と、創傷治癒における消毒の適切な使用時期・方法が混同されやすい。また、テープの剥がし方やドレッシング材の貼付位置についても、誤った認識がある場合がある。
次に同じ論点が出たら
創傷のタイプ(清潔創、汚染創、感染創)に応じた適切なケアを選択できるか。
関連知識
創傷治癒の3段階(炎症期、増殖期、成熟期)、湿潤環境の維持、局所管理の原則(TIMEコンセプトなど)。