高齢者の性について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
高齢者のセクシュアリティは、単に性行為のみを指すのではなく、自己の身体像、性自認、感情、人間関係、自己表現など多岐にわたる概念です。これらの側面が尊重され満たされることは、個人の尊厳を保ち、精神的安定をもたらし、結果として全体的なQOLの維持・向上に深く寄与します。高齢期においても性的な関心や活動は多様な形で存在し、それを否定したり無視したりすることはQOLを損なうことになります。
選択肢ごとの解説
- 1. 女性は高齢になるとエストロゲンの減少により膣の乾燥や萎縮が生じやすくなり、性交痛はむしろ起こりやすくなります。正しくは:女性は高齢になるとエストロゲンの減少により膣の乾燥や萎縮が生じやすくなるため、性交痛はむしろ増える傾向にあります。選びやすい理由:加齢により活動性が低下するといった一般的なイメージから、性活動自体が減少し、それに伴い痛みも減少すると誤解する可能性があります。混同注意:性欲の減退と性交痛の有無を混同する可能性があります。
- 2. 男性も加齢に伴いテストステロンなどの性ホルモン分泌量が徐々に減少します。これが男性更年期障害(LOH症候群)の原因の一つとなります。正しくは:男性の性ホルモン分泌量は年齢を重ねると徐々に減少します。選びやすい理由:男性は女性の閉経のような明確な性ホルモンの急激な変化がないため、分泌量が維持されると誤解する可能性があります。混同注意:性機能そのものとホルモン分泌量を混同する可能性があります。
- 3. 羞恥心は個人の性格や文化、育った環境によって形成されるものであり、加齢によって一般的に減退するという医学的根拠はありません。むしろ、身体機能の変化などにより、他者への配慮や自尊心から羞恥心が増すこともあります。正しくは:高齢になっても異性に対する羞恥心は個人差が大きく、一概に減退するとは言えません。選びやすい理由:高齢期における社会的な役割の変化や、人生経験の豊富さから、羞恥心が薄れると短絡的に考える可能性があります。混同注意:性的な関心の有無と羞恥心の有無を混同する可能性があります。
- 4. 正解。セクシュアリティは人間が持つ基本的な欲求の一つであり、その尊重は自己肯定感、尊厳、幸福感に直結します。高齢期においても、身体的、精神的、社会的な健康、ひいてはQOL(生活の質)の維持向上に不可欠な要素です。選びやすい理由:これは常識的な倫理観に基づいた正しい記述であり、他の選択肢が医学的に誤っているため、判断しやすいです。混同注意:特になし。他の選択肢が誤りであることが明確なため、相対的に正答と判断しやすいです。
国試ポイント
高齢者のセクシュアリティに関する知識、特にQOLとの関連性や、加齢による身体的変化(ホルモン分泌、性交痛など)への理解が問われています。倫理的視点と生理学的知識の双方から判断する能力が求められます。
混同注意
高齢者の性に関する知識は、一般常識や偏見と混同されやすいです。特に、高齢者の性活動の減少と性機能の衰退を混同したり、羞恥心などの心理的側面を加齢と安易に結びつけたりする傾向があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、単に生理的変化だけでなく、高齢者の心理的側面、社会文化的側面、そしてQOLとの統合的な視点から、セクシュアリティを捉える問題が出題される可能性があります。
関連知識
女性の更年期障害(性器の萎縮、乾燥)、男性のLOH症候群(テストステロン低下)、高齢者虐待における性的虐待、QOLの定義、セクシュアリティの多様性(LGBTQ+など)