直流除細動器の使用目的はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
直流除細動器は、心室細動や無脈性心室頻拍といった致死性不整脈に対し、心筋全体に一過性の強い電流を流すことで異常な電気活動をリセットし、心臓本来のペースメーカーである洞結節からの正常な電気刺激による洞調律への復帰を促すことが主な目的です。これにより、ポンプ機能が回復し、全身への血液供給が再開されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 直流除細動器は血圧を直接上昇させることを目的とするものではなく、心機能回復の結果として血圧が改善する場合があります。血圧上昇は二次的な効果であり、主な目的ではありません。正しくは:除細動により洞調律へ復帰し、心拍出量が回復した結果として血圧が安定すること。選びやすい理由:除細動後に血圧が上昇する場合があるため、除細動の直接的な効果と誤解しやすいかもしれません。特にショック状態にある患者では、血圧低下が見られるため、除細動が血圧を上げる作用を持つと誤解する可能性があります。混同注意:昇圧剤投与や輸液療法による血圧上昇効果、あるいは心拍出量増加による血圧上昇効果。
- 2. 直流除細動器は心臓の電気活動に作用するものであり、呼吸中枢や呼吸筋に直接作用して呼吸を促進する効果はありません。心停止中の患者では呼吸停止もみられますが、除細動の直接的な目的ではありません。正しくは:人工呼吸や用手換気により呼吸を補助・再開させること。選びやすい理由:心停止患者は呼吸も停止していることが多いため、除細動によって全身状態が改善すれば呼吸も再開するという連想から、除細動の直接的な目的だと誤解する可能性があります。混同注意:人工呼吸器の装着や用手換気、あるいは呼吸中枢刺激薬による呼吸促進。
- 3. 正解。心室細動や無脈性心室頻拍といった致死性不整脈に対し、心筋に強い電流を流すことで心筋細胞の電気的興奮を一斉に不応期にすることで、異常な興奮回路を断ち切り、心臓本来のペースメーカーである洞結節からのリズムに回復させる(洞調律への復帰)のが主な目的です。選びやすい理由:これは正しい選択肢であり、除細動器の最も直接的で重要な目的です。
- 4. 意識レベルの回復は、除細動により心拍が再開され、脳への血流が回復した結果として生じる二次的な効果です。除細動器が直接的に意識レベルに作用するわけではありません。正しくは:除細動により脳血流が再開され、結果として意識レベルが回復すること。選びやすい理由:心停止患者は意識がなく、除細動後に意識が回復する様子から、除細動の直接的な目的だと誤解しやすいかもしれません。特に、蘇生における最終的な目標の一つが意識回復であるため、混同しやすいです。混同注意:脳蘇生術や覚醒剤の投与など、意識レベルに直接作用する治療。
国試ポイント
直流除細動器の適応疾患と、その治療目的(致死性不整脈の停止と洞調律への復帰)を正確に理解することが重要です。
混同注意
直流除細動器は心臓の電気的活動を「リセット」するものであり、心臓の収縮力を「増強」するものではありません。また、経皮的ペーシングとは異なり、新たな刺激を外部から与えることで調律を維持するものでもありません。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、直流除細動器が「電気ショックにより心臓の異常な電気活動を停止させ、正常なリズム(洞調律)に戻す」という本質的な機能に着目して判断します。
関連知識
AED(自動体外式除細動器)も直流除細動器の一種であり、心室細動・無脈性心室頻拍に適用されます。ペースメーカーは徐脈性不整脈に対して、植え込み型除細動器(ICD)は致死性不整脈の再発予防に用いられます。これらの機器の作用機序と適応を比較して理解すると良いでしょう。