経鼻経管栄養法を受ける成人患者の体位で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
経鼻胃管による栄養剤投与時の半坐位は、食道への逆流を防ぎ、誤嚥性肺炎のリスクを低減するために最も適切な体位です。重力を利用して胃内容物の排出を促し、呼吸を楽にする効果もあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 砕石位は仰向けで膝と股関節を屈曲させ開脚する体位で、主に婦人科診察や分娩時に用いられます。この体位では胃内容物の逆流が起きやすく、誤嚥のリスクを高めるため、経鼻胃管による栄養剤投与には不適切です。正しくは:経鼻胃管栄養時は頭部を挙上する半坐位とします。選びやすい理由:医療処置時の体位として一般的なイメージがあるかもしれませんが、用途が全く異なります。混同注意:医療処置時の様々な体位の目的。
- 2. 正解。半坐位は頭部を30~45度挙上する体位であり、重力によって胃内容物の食道への逆流を防ぎ、気道への誤嚥のリスクを最も効果的に低減できるため、経鼻胃管栄養時に最も適切な体位です。
- 3. 腹臥位はうつ伏せの体位です。この体位では胃が圧迫され、胃内容物の逆流を助長し、誤嚥のリスクを非常に高めるため、経鼻胃管による栄養剤投与には不適切です。また、呼吸も困難になる場合があります。正しくは:経鼻胃管栄養時は頭部を挙上する半坐位とします。選びやすい理由:胃を圧迫することで、逆流が起きにくいと誤解する可能性があります。混同注意:体位の目的に関する理解の不足。
- 4. Sims(シムス)位は、半腹臥位で片側の膝と腕を曲げた体位で、直腸診や浣腸、褥瘡予防などに用いられます。この体位でも胃内容物の逆流を十分に防ぐことができず、誤嚥のリスクが高まるため、経鼻胃管による栄養剤投与には不適切です。正しくは:経鼻胃管栄養時は頭部を挙上する半坐位とします。選びやすい理由:こちらも医療処置時の体位として一般的なイメージがあるかもしれませんが、経鼻胃管栄養時の誤嚥防止には適していません。混同注意:医療処置時の様々な体位の目的。
国試ポイント
経管栄養時の誤嚥防止のための体位選択の重要性とその理由。
混同注意
半坐位とファウラー位(セミファウラー位):半坐位は頭部を30~45度挙上する体位であり、ファウラー位の一種です。厳密な角度の定義を混同しないように注意が必要です。また、体位ドレナージの体位と混同しない。
次に同じ論点が出たら
経管栄養や経口摂取時の誤嚥リスクを低減するための体位に関する問題では、重力の影響で胃内容物の逆流を防ぎ、気道への流入を阻止できる体位(=頭部挙上)が選択肢にあるかを確認します。
関連知識
経管栄養中の体位は投与後も30分~1時間程度維持することが推奨されます。また、栄養剤の種類や投与速度、患者の意識レベルや嚥下機能も考慮し、個別的なアセスメントが必要です。さらに、投与前の残量確認や、投与後の口腔ケアも重要です。