成人の気管内吸引の方法で適切なのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第113回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
気管内吸引を行う前に口腔咽頭の分泌物を除去することで、気管内への感染リスクを低減し、カテーテルの清潔を保ちます。また、カテーテルが気管分岐部に接触すると迷走神経刺激や粘膜損傷のリスクがあるため、接触を避けるように挿入することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。気管内吸引を行う前に、口腔・咽頭の分泌物を吸引することで、吸引カテーテルが汚染されるのを防ぎ、気管内へ細菌が侵入するリスクを低減できます。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:口腔内の清潔は吸引の基本です。混同注意:気管内吸引と口腔吸引の順序を混同しやすい。
- 2. 成人の気管内吸引における適切な陰圧は、一般的に-15~-20kPa(-110~-150mmHg)程度です。-40kPaは強すぎ、粘膜損傷や気道虚脱のリスクを高めます。正しくは:吸引圧は-15~-20kPa(-110~-150mmHg)に設定する。選びやすい理由:吸引圧は強ければ強いほど効率的に分泌物が除去できると考えがちですが、強すぎると組織損傷のリスクがあります。混同注意:吸引圧の単位や数値は覚えるのが難しい。
- 3. 吸引カテーテルの外径は、気管チューブの内径の1/2以下(最大でも2/3以下)にするのが適切です。同じ内径のカテーテルを使用すると、気管チューブの内腔を完全に閉塞し、換気を妨げ呼吸困難を招く危険性があります。正しくは:吸引カテーテルの外径は気管チューブの内径の1/2以下(最大2/3以下)にする。選びやすい理由:チューブとカテーテルの関係性を混同しやすい。混同注意:カテーテルの太さの選択基準を誤解しやすい。
- 4. 正解。気管分岐部にカテーテルが当たると、迷走神経刺激による徐脈や不整脈、気管粘膜損傷、咳反射の誘発を引き起こす可能性があります。そのため、分岐部に接触させないように注意して挿入します。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:分泌物が除去されやすい深さまで挿入すべきと考える人もいるかもしれません。混同注意:どこまで挿入すべきか、その深さの基準を迷う。
- 5. 気管内吸引は、酸素飽和度の低下や粘膜損傷のリスクを考慮し、1回あたりの吸引時間は10~15秒以内で行うのが原則です。30秒は長すぎ、低酸素血症を引き起こす可能性が高まります。正しくは:カテーテルの挿入開始から吸引終了までを10~15秒以内で行う。選びやすい理由:短すぎると分泌物が十分に除去できないと感じるかもしれない。混同注意:吸引時間の目安を間違えやすい。
国試ポイント
気管内吸引の基本的な手技、特に安全管理(吸引圧、カテーテルの選択、挿入深度、吸引時間、感染予防)に関する知識が問われています。患者の安全を最優先にした実践的な知識が求められます。
混同注意
吸引圧や吸引時間の具体的な数値は混同しやすく、正確な知識が必要です。また、気管チューブの内径と吸引カテーテルの外径の関係も誤解しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
吸引中のSpO2低下時の対応、分泌物の性状変化に対する判断。
関連知識
気管内吸引の適応と禁忌、合併症とその対策、吸引前後の観察項目、酸素飽和度モニタリングの重要性、無菌操作の原則。