胸腺腫に合併する疾患で多くみられるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胸腺は免疫システムの重要な臓器であり、特にT細胞の成熟に関与しています。胸腺腫は胸腺にできる腫瘍であり、その異常な免疫機能の調節が、自己抗体の産生を促進し、重症筋無力症のような自己免疫疾患の発症につながることが知られています。重症筋無力症は、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され、神経筋接合部での伝達障害を引き起こす疾患です。胸腺腫の患者さんでは、約15%という高い頻度で重症筋無力症が合併することが報告されています。
選択肢ごとの解説
- 1. パーキンソン病は神経変性疾患であり、胸腺腫との直接的な合併は一般的ではありません。正しくは:胸腺腫に合併する自己免疫疾患の代表は重症筋無力症です。選びやすい理由:神経系の疾患であるため、自己免疫疾患と混同する可能性があります。混同注意:自己免疫疾患一般と、特に重症筋無力症のような神経筋接合部疾患と混同する可能性があります。
- 2. 筋ジストロフィーは遺伝性の筋疾患で、胸腺腫との合併は通常みられません。正しくは:筋ジストロフィーは遺伝性疾患であり、重症筋無力症は自己免疫疾患であるという点で異なります。選びやすい理由:筋力低下をきたす疾患であるため、重症筋無力症と症状が似ていると誤解する可能性があります。混同注意:筋力低下を主症状とする疾患全般と混同しがちです。
- 3. 正解。重症筋無力症は自己免疫疾患であり、胸腺腫患者の約15%に合併するとされ、胸腺の異常が病態に関与していることが知られています。胸腺腫自体が重症筋無力症の発症や増悪に関わることが多いです。
- 4. 多発性硬化症は中枢神経系の自己免疫疾患ですが、胸腺腫との直接的かつ高頻度な合併は確認されていません。正しくは:胸腺腫に合併する自己免疫疾患の多くは重症筋無力症であり、多発性硬化症は異なるタイプの自己免疫疾患です。選びやすい理由:自己免疫疾患の一つであるため、知識が曖昧だと選択肢として魅力的です。混同注意:全身性エリテマトーデスや関節リウマチなどの他の自己免疫疾患全般と混同しやすいです。
- 5. 多発性筋炎は筋肉の自己免疫疾患ですが、胸腺腫との関連は重症筋無力症ほど強くありません。正しくは:多発性筋炎は筋肉自体を攻撃する自己免疫疾患ですが、重症筋無力症は神経筋接合部を攻撃します。選びやすい理由:筋肉に影響を与える自己免疫疾患であるため、重症筋無力症と混同しやすいです。混同注意:皮膚筋炎やその他の炎症性筋疾患と混同しやすいです。
国試ポイント
胸腺腫に合併しやすい特定の自己免疫疾患、特に重症筋無力症の知識が問われています。胸腺と自己免疫疾患の関連性を理解しているかが重要です。
混同注意
筋力低下を呈する他の神経筋疾患や自己免疫疾患(筋ジストロフィー、多発性筋炎、多発性硬化症など)。
次に同じ論点が出たら
今後、胸腺腫の病態生理や治療法、合併症の看護に関する問題が出題される可能性があります。特に、重症筋無力症の症状や治療、看護介入について深く理解しておくことが重要です。
関連知識
胸腺の機能(T細胞の成熟)、自己免疫疾患のメカニズム、重症筋無力症の病態生理(アセチルコリン受容体抗体、クリーゼ)、胸腺摘除術の効果。