性同一性障害〈GID〉/性別違和〈GD〉について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
性同一性障害(GID)/性別違和(GD)の定義は、個人の生物学的性別(出生時に割り当てられた性別)と、自己が認識している性別(性自認)が一致しない状態であり、それによって強い苦痛や社会生活上の困難を伴うものです。したがって、選択肢3がこの核心を正確に表現しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 性同一性障害/性別違和は、小児期から思春期にかけてその兆候が現れることが多く、成人期以降に初めて出現するわけではありません。むしろ幼少期から自己認識との不一致を感じているケースが多いです。正しくは:性同一性障害/性別違和は、小児期や思春期にその兆候が現れることもあります。選びやすい理由:「障害」や「違和」という言葉から、ある程度の年齢になってから自覚するものだと誤解しやすいかもしれません。しかし、自己の性認識は早期に形成され始めます。混同注意:性的な指向(同性愛など)と性同一性障害を混同すると、性的な関係が意識される成人期以降と結びつけてしまいがちです。
- 2. 性同一性障害/性別違和の治療において、望む性別の身体的特徴を獲得するためにホルモン療法が重要な治療選択肢の一つとして用いられます。これは性別適合手術と並んで身体的性移行の主要な手段です。正しくは:ホルモン療法は、性同一性障害/性別違和の治療選択肢の一つです。選びやすい理由:「障害」という言葉から、医療介入の対象外、あるいは心理的なケアが主だと誤解する可能性があります。しかし、身体的アプローチも重要です。混同注意:精神疾患に対する薬物療法と混同し、性同一性障害/性別違和におけるホルモン療法の役割を理解していないと誤答しやすくなります。
- 3. 正解。性同一性障害(GID)や性別違和(GD)の核心的な特徴は、出生時に割り当てられた生物学的性別(身体的性別)と、本人が自己認識している性別(性自認)との間に不一致があることです。この不一致が著しい苦痛や機能障害を引き起こす場合に診断されます。選びやすい理由:この選択肢は、性同一性障害の最も基本的な定義を正確に述べています。他の選択肢が誤りであることが明確なため、比較的選びやすいです。混同注意:性同一性障害の定義そのものを理解していれば問題ありませんが、性の多様性に関する他の概念(性的指向など)と混同すると、混乱が生じる可能性があります。
- 4. これは同性愛(ホモセクシュアリティ)の定義であり、性同一性障害/性別違和とは異なります。性同一性障害/性別違和は性自認の問題であり、誰に恋愛感情を抱くかという性的指向とは別の概念です。正しくは:これは性的指向の一つである同性愛を指すものです。選びやすい理由:「性」という言葉が共通しているため、性の多様性に関する様々な概念をごちゃまぜにして理解していると、誤って選択してしまう可能性があります。混同注意:性同一性(性自認)と性的指向(誰に惹かれるか)を混同しやすいです。これらは異なる概念です。性同一性障害の人は、性自認が男性であれば女性に、女性であれば男性に惹かれることもあれば、同性に惹かれることもありますし、無性愛であることもあります。
国試ポイント
性同一性障害(GID)/性別違和(GD)の基本的な定義、性的指向との違い、治療選択肢(ホルモン療法、性別適合手術など)に関する知識が問われています。特に、性自認と性的指向の区別は国試で頻出の論点です。
混同注意
性同一性障害(GID)/性別違和(GD)と性的指向(同性愛、異性愛、両性愛など)、性表現、性分化疾患(インターセックス)との混同。
次に同じ論点が出たら
今後も性同一性障害/性別違和の定義と関連知識は出題される可能性が高いです。特に、身体的性別と性自認の不一致という核心概念、そしてそれが性的指向とは異なる概念である点をしっかりと理解できているかを確認してください。
関連知識
性同一性障害の診断基準(DSM-5など)、関連法規(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)、ホルモン療法の種類と効果、性別適合手術の概要、精神科医療・看護におけるサポート、倫理的配慮。