認知症高齢者との対話で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
認知症高齢者とのコミュニケーションでは、言葉だけでなく非言語的な情報が非常に重要です。表情は感情や意図を伝える強力な手段であり、相手に安心感や理解を促す助けとなります。高齢者の聴力や理解力の低下を考慮し、目と目を合わせ、穏やかな表情でゆっくりと話すことが基本です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。認知症のある方とのコミュニケーションでは、言葉だけでなく非言語的な情報も重要です。表情は感情や意図を伝える上で役立ち、相手に安心感を与えやすくなります。選びやすい理由:一見すると当たり前のように思えるが、認知症の特性を踏まえると非常に重要なコミュニケーション技術である。混同注意:「表情を見せながら」という表現が具体的に何を指すのか不明瞭に感じるかもしれないが、非言語的コミュニケーションの重要性を指している。
- 2. 横や後方からの呼びかけは、認知症の方を驚かせたり、不安にさせたりする可能性があります。正面から穏やかに話しかけることで、相手は安心して声の主を認識しやすくなります。正しくは:高齢者の正面から、視線を合わせて話しかける。選びやすい理由:プライベートスペースを尊重する意味で横から話しかけるのが良いと誤解するかもしれない。混同注意:一般的な会話では横から話しかけることもあるため、認知症高齢者との特異な配慮を忘れると選択肢として適切に見えてしまう。
- 3. 認知症の症状として記憶障害があるため、会話内容の確認を繰り返すと、相手に負担を与えたり、自尊心を傷つけたりする可能性があります。記憶を試すような質問は避けるべきです。正しくは:会話の内容を覚えているか確認するのではなく、相手の反応や表情から理解度を推し測り、必要に応じてゆっくりと繰り返し説明する。選びやすい理由:相手の理解度を確認しようとする意図は理解できるが、方法が適切ではない点で迷う可能性がある。混同注意:一般の健常者との会話では理解度確認が有用なため、認知症の特性を考慮しないと適切だと錯覚しやすい。
- 4. 言葉が出てこないときに長時間待ち続けることは、相手に焦りやプレッシャーを与え、さらに混乱を招く可能性があります。適切なタイミングでヒントを出したり、言葉を補完したりするなどの支援が求められます。正しくは:言葉が出てこない時は、少し待ってから、具体的なヒントを出したり、選択肢を提示したりして促す。選びやすい理由:相手のペースを尊重するという点で一見正しいように思えるが、過度な待機は負担となる。混同注意:ゆっくりと待つことが尊重につながると考えるのは間違いではないが、認知症の場合は適切な支援が必要となる点で異なる。
国試ポイント
認知症高齢者との適切なコミュニケーション技術は、看護師国家試験で頻出の重要テーマです。特に、非言語的コミュニケーションの重要性、相手の尊厳を傷つけない配慮、そして認知機能の特性を踏まえた対応が問われます。
混同注意
各選択肢は一見すると適切な行為に見えるものが含まれているため、認知症高齢者の特性を深く理解していないと誤った選択をしてしまう可能性があります。特に「待つこと」や「確認すること」は、健常者とのコミュニケーションでは有効な場合もあるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で正しい選択肢を選べた場合、さらに非言語的コミュニケーションの具体的な方法(声のトーン、触れ方、姿勢など)や、認知症の種類(アルツハイマー型、レビー小体型など)に応じたコミュニケーションの工夫について学習を深めると良いでしょう。
関連知識
・ユマニチュード ・バリデーション ・認知症ケアの原則(尊厳の保持、パーソン・センタード・ケア) ・聴覚・視覚の加齢変化とコミュニケーションへの影響