平成16年(2004年)に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、戸籍上の性別を変更することが可能になった。その変更の条件で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律では、戸籍上の性別変更のためにいくつかの要件が定められています。その中には、20歳以上であること、精神科医により性同一性障害の診断が確定していること、生殖腺がないこと、外見上も反対の性別に近しいことなどと並んで、「現に未成年の子がいないこと」という条件が含まれています。これは、性別変更が子どもの福祉に与える影響を考慮した重要な規定です。
選択肢ごとの解説
- 1. 本法律における性別変更の要件は「20歳以上であること」です。15歳という年齢は、少年法など他の法律で特定の判断能力が認められる年齢として登場しますが、本法とは異なります。正しくは:年齢が20歳以上であること。選びやすい理由:一般的な判断能力が認められる年齢として、15歳という数字が頭に浮かびやすいかもしれませんが、戸籍上の性別変更はより慎重な判断が求められるため、成年年齢が基準となります。混同注意:少年法における刑事責任能力年齢や、民法改正前の婚姻可能年齢(男性18歳、女性16歳)と混同することがあります。
- 2. 精神科医の診断が必要ですが、うつ病などの精神疾患の存在は性別変更の直接的な条件ではありません。むしろ、精神科的な治療によって症状が軽減・安定していることが求められる場合があります。正しくは:精神科医により性同一性障害の診断が確定しており、精神疾患がない、または治療により安定していること。選びやすい理由:性同一性障害は精神科領域の診断であり、精神疾患であるうつ病も関連があるように感じられるかもしれませんが、性別変更の条件としては不適切です。混同注意:性同一性障害の診断過程で精神科医の診察を受けることと、うつ病そのものが条件であることとを混同することがあります。
- 3. 正解。性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の第3条第1項第5号に「現に未成年の子がいないこと」が戸籍上の性別変更の要件として明記されています。これは、性別変更が子どもの養育や福祉に与える影響を考慮した規定と考えられています。正しくは:正解のため修正は不要です。選びやすい理由:この要件は、性別変更が家族関係、特に子どもの育成に与える影響を考慮したものであり、実社会の法制度を理解しているかが問われます。混同注意:家族関係に関する他の法律上の条件(例:離婚時の親権など)と混同することがあるかもしれませんが、本法では「未成年の子」の有無が直接の条件です。
- 4. 戸籍上の性別変更は、本人の意思に基づくものであり、両親の同意は法律上の直接的な要件ではありません。ただし、本人が未成年の場合は親権者の同意が必要となる場合がありますが、本件は戸籍変更の条件であり、成人した本人の変更を想定しています。正しくは:両親の同意は必要なく、本人の意思と医師の診断、他の法定要件を満たすことが重要です。選びやすい理由:未成年者の医療行為や法的決定において両親の同意が必要となるケースは多いため、この問題でも同意が必要だと考えてしまいがちですが、本法律の対象は基本的に成人です。混同注意:未成年者の医療行為や手術に対する親権者の同意と、成人した当事者の戸籍変更における両親の同意とを混同することがあります。
国試ポイント
この問題は、平成16年(2004年)に施行された性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律における、戸籍上の性別変更の要件に関する知識を問うものです。特に、医療現場で性的マイノリティに接する機会が増えている現代において、看護師として基本的な法的知識を持つことが求められます。家族構成や年齢制限など、具体的な条件を正確に理解しているかがポイントになります。
混同注意
戸籍上の性別変更の要件と、性別適合手術の要件、または未成年者の医療行為や法的決定に関する要件とを混同しやすいです。特に年齢に関する要件(20歳以上)や、精神的な状態に関する要件(精神疾患の有無ではなく性同一性障害の確定診断)は誤解が生じやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後、性同一性障害に関連する問題が出題される場合、特例法の他の要件(年齢、生殖機能、外見的特徴など)や、性別変更後の社会生活上の課題、看護師としての支援のあり方などが問われる可能性があります。また、LGBTQ+全体への理解を深める視点からの出題も考えられます。
関連知識
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の第3条1項に定められている性別変更の5つの要件(1. 20歳以上、2. 精神科医2名以上による性同一性障害の診断、3. 別の性別の生殖腺や性腺機能がないこと、4. 別の性別の性器に似た外観を備えていること、5. 未成年の子がいないこと)。LGBTQ+に関する基本的な知識と、多様な性に対する理解、および関連する法制度の知識。