A君(7歳、男児)は、サッカークラブに所属している。本日、練習中に転倒して右腕を地面についた後、肘周囲に腫れと強い痛みが生じたため、父親と救急外来を受診した。エックス線撮影の結果、右側の上腕骨顆上骨折と診断され、非観血的整復とギプス固定が行われることになった。A君は不安な表情で父親と処置室の前で待っている。 退院時、A君は「明日から学校に行けるかな」と看護師に質問した。看護師は、学校には行けることを伝えた後、学校生活における注意点を説明することにした。A君への説明で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ギプス装着中の骨折部位は、外部からの衝撃に弱く、ギプス自体も破損する可能性があります。ぶつけることで再骨折や合併症のリスクがあるため、ギプスをぶつけないよう注意することは、治癒過程を順調に進める上で最も重要な留意事項の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. 右腕の骨折であっても、右手の指を全く使わないように指導することは、日常生活(着替え、食事、筆記など)に支障をきたし、過度な制限となります。指の運動は、腫脹の軽減や関節拘縮予防のためにむしろ推奨される場合があります。正しくは:右手の指は動かしてよいですが、無理な負担がかからないようにしましょう。選びやすい理由:骨折部位の安静を保つため、全体的に動かさない方が良いと考えてしまう。混同注意:骨折部位の安静と、患肢末梢部の適度な運動の必要性。
- 2. ギプスの種類にもよりますが、多くのギプス(特に石膏ギプス)は水に濡れると強度が低下したり、皮膚トラブル(蒸れ、かぶれ)の原因となったりするため、濡らさないように指導するのが原則です。濡れても心配ないという説明は不適切です。正しくは:ギプスは濡らさないように気をつけましょう。お風呂に入る時はビニール袋などで覆ってください。選びやすい理由:防水性のギプスもあるため、一概に濡らさない指導が不要と誤解する。また、子どもの入浴への配慮から安易な選択肢を選んでしまう。混同注意:一般的なギプスの特性と、特殊な防水ギプスの存在。
- 3. 正解。ギプスをぶつけることで、固定力が低下したり、ギプス内で骨折部位に不必要な衝撃が加わったりして、骨癒合が遅れる、あるいは再骨折のリスクがあります。ギプスの破損や皮膚への圧迫損傷のリスクも高まります。そのため、ぶつけないよう注意することは非常に重要です。選びやすい理由:子どもの行動範囲が広いため、日常生活で起こりうる危険性として理解しやすい。混同注意:患部の保護の重要性。
- 4. 右腕の骨折ギプス装着中に体育の授業に普段通り参加することは、患部に過度な負担をかけ、転倒による再骨折や合併症のリスクを著しく高めます。治癒過程においては、体育活動は制限すべきです。正しくは:体育の授業はしばらくお休みして、先生と相談して見学などの対応をとりましょう。選びやすい理由:学校生活への復帰を促すポジティブな声かけと誤解する。子どもの気持ちに寄り添おうとするあまり、医学的制限を考慮しない。混同注意:精神的ケアと身体的安静のバランス。
国試ポイント
骨折ギプス装着中の患児への生活指導の基本(保護の必要性、合併症予防)を理解する。
混同注意
日常生活指導における制限事項と許容事項の判断。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、患児の安全確保、治療効果の維持、合併症予防に直結する内容が最も優先されると判断する。
関連知識
ギプスによる固定の目的(安静保持、疼痛緩和、変形矯正)、ギプス装着時の観察項目(循環障害、神経障害、皮膚トラブル)、ギプス交換・除去のタイミング。