患者が看護師を愛情深い親のような存在とみなし、看護師に対して肯定的な感情を抱くのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
陽性転移は、患者が無意識のうちに、過去の重要な人物(特に親)に対して抱いていた肯定的な感情や期待を、現在の看護師や治療者に向け直す心理現象です。これにより、患者は看護師を愛情深く、支えとなる存在として認識し、治療関係が円滑に進むことがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 投影とは、自分自身の感情や特性を他者のものとして認識する心理現象であり、対象を親のように見ることとは異なります。正しくは:自分自身の感情や特性を他者のものとして認識する心理現象。選びやすい理由:他者への感情の表出という点で誤解しやすいですが、その感情が自分由来である点が異なります。混同注意:患者が自身の無意識的な感情や欲求を看護師に押し付けている、と誤解する可能性があります。
- 2. 共依存とは、特定の関係において一方が他方に過度に依存し、その関係性の中で自己を見失う状態を指し、親のような感情を抱くこととは異なります。正しくは:特定の関係において、一方が他方に過度に依存し、その関係性の中で自己を見失う状態。選びやすい理由:患者が看護師に依存している状況と混同しやすいですが、共依存は相互の機能不全を指します。混同注意:患者が看護師に過度に頼っている状況と取り違えるかもしれません。
- 3. 反動形成とは、受け入れがたい衝動や感情を抑圧し、それと正反対の行動や態度をとる防衛機制であり、親のような感情とは関係がありません。正しくは:受け入れがたい衝動や感情を抑圧し、それと正反対の行動や態度をとる防衛機制。選びやすい理由:感情が行動に現れるという点で関連があるように見えますが、内容が異なります。混同注意:ネガティブな感情を打ち消すためにポジティブな態度を取る、と誤解する可能性があります。
- 4. 正解。陽性転移とは、過去の重要な人物(特に親)に対する肯定的な感情が、現在の治療者(看護師)へと無意識的に向けられる現象を指します。患者が看護師を愛情深い親のように感じ、好意を抱くのはこの陽性転移の典型的な例です。正しくは:過去の重要な人物に対する肯定的な感情が、現在の治療者へと無意識的に向けられる現象。選びやすい理由:単に「好意を持つ」ことと混同しやすいですが、過去の人間関係の感情が再燃するという点が重要です。混同注意:単なる友好的な感情や信頼と混同されやすいですが、無意識的な過去の感情の再現がポイントです。
国試ポイント
転移の概念、特に陽性転移と陰性転移の違いを理解しているかが問われています。患者と看護師の関係性における心理学的な側面を把握しておくことが重要です。
混同注意
投影や共依存と混同されやすいですが、それぞれの定義と現象を正確に理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
患者に陽性転移が見られた場合、看護師はどのような対応をすべきか、またその際の注意点について検討する問題が出題される可能性があります。
関連知識
転移の他に、逆転移、投影、反動形成、共依存などの心理的な防衛機制や人間関係のパターンについても学習しておくと良いでしょう。これらは患者の行動理解や看護介入の基礎となります。