精神障害のある人のリカバリーで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
精神障害のある人々のリカバリーとは、病気による制約がありながらも、自分自身が希望を持ち、意味のある人生を主体的に再構築していくプロセスを指します。症状の完全な消失が必須条件ではなく、また直線的な過程でもありません。本人の主体的な意思決定と自己実現が中心となります。
選択肢ごとの解説
- 1. リカバリーは症状の有無に関わらず、病気を持ちながらも自分らしい人生を再構築していくプロセスです。症状の完全な消失のみをゴールとするものではありません。正しくは:症状の有無にかかわらず、自分らしい人生を再構築していくことである。選びやすい理由:症状回復は重要であるため、これがゴールであると誤解しやすい。しかし、リカバリーはそれ以上の意味を持つ。混同注意:『回復』という言葉から症状の回復のみを連想しがちだが、精神科医療におけるリカバリーはより包括的な概念である。
- 2. リカバリーの過程は、多くの場合、紆余曲折があり、後退と前進を繰り返す非直線的なものです。段階的に一直線に進むわけではありません。正しくは:非直線的なプロセスをたどることが多い。選びやすい理由:一般的な病気の回復は段階的であるため、精神疾患のリカバリーも同様と考える可能性がある。混同注意:身体疾患の治療過程と精神疾患のリカバリー過程を混同しやすい。精神疾患のリカバリーは個人的な体験と再構築のプロセスである。
- 3. 正解。リカバリーは、精神疾患を持つ人が、疾患の影響を受けながらも、自分自身の価値観に基づき、希望を持ち、充実した人生を主体的に築き直していくプロセスを指します。本人の主体性が極めて重要です。正しくは:正しい選択肢のため修正不要。選びやすい理由:本人の主体性や人生の再構築がキーワードであるため、この選択肢がリカバリーの本質を捉えている。混同注意:この表現が最もリカバリーの概念を正確に表している。自己決定やエンパワメントと関連が深い。
- 4. ストレス脆弱性モデルは、精神疾患の発症メカニズムを説明する一つのモデルであり、支援の一側面ではありますが、リカバリーの概念そのものではありません。リカバリーは、個人の強みやレジリエンスにも焦点を当て、人生全体を再構築するプロセスです。正しくは:個人の強みやレジリエンス、自己決定能力に焦点を当てた支援も含まれる。選びやすい理由:ストレス脆弱性モデルは精神医学において重要な概念であるため、リカバリーと関連があるように見えるが、リカバリーの定義そのものではない。混同注意:リカバリーは単なる問題対処や予防ではなく、より積極的な意味での自己実現を目指す概念であり、特定のモデルに限定されるものではない。
国試ポイント
精神疾患におけるリカバリーの概念を正しく理解しているかどうかが問われる問題です。リカバリーは単なる症状の回復にとどまらず、その人らしい人生を主体的に生きることを重視する包括的な視点であることを把握しておく必要があります。
混同注意
『回復』という言葉の持つ一般的な意味と、精神科領域における『リカバリー』の専門的な意味との違い。症状の改善と生活の再構築のどちらが主眼か。
次に同じ論点が出たら
リカバリーの各要素(主体性、希望、意味のある人生、非直線的プロセスなど)を具体的な支援内容と結びつけて説明できるか。
関連知識
リカバリー指向のケア、エンパワメント、ストレングスモデル、精神保健福祉法、地域移行支援、ピアサポート。