頭位で出生した直後の児の頭部に腫脹を認めた。腫脹は骨縫合を越え、波動を触れず、数日後に消失した。出生直後に認められた児頭の腫脹で考えられるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
産瘤は、分娩時に頭部が産道からの圧迫を受けることで、頭皮と帽状腱膜の間に血清が貯留して生じる限局性の浮腫です。この腫脹は骨縫合線を越えて広がり、波動性はなく、通常数日で自然に消失するという特徴があります。問題文の記述がこれらの特徴と完全に一致するため、産瘤が最も適切な診断です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。産瘤は、分娩時に産道からの圧迫により、頭皮と帽状腱膜の間に血清が貯留することで生じる浮腫です。骨縫合線を越えて広がり、波動性はなく、数日で自然に消失するという特徴が、問題文の記述と一致します。選びやすい理由:他の選択肢も頭部の腫脹に関連するため、鑑別が重要です。混同注意:頭血腫と混同しやすいですが、頭血腫は骨膜下出血であり、骨縫合線を越えないという点で異なります。
- 2. 骨重積は、分娩時に頭蓋骨が重なり合う現象であり、腫脹ではありません。触診で段差として感じられることはありますが、腫れとは異なります。正しくは:これは腫脹ではなく、頭蓋骨の物理的な重なりです。混同注意:分娩時の頭部の変化ではありますが、腫脹の記述とは合致しません。
- 3. 頭血腫は、頭蓋骨の骨膜下に生じる出血で、骨膜に沿って広がるため骨縫合線を越えません。また、波動性を触れることがあり、消失までに数週間から数ヶ月かかることが多いです。問題文の「骨縫合を越え」「波動を触れず」「数日後に消失」という特徴とは異なります。正しくは:頭血腫は骨縫合線を越えず、波動性を伴うことがあり、消失に時間がかかります。選びやすい理由:産瘤と最も混同しやすいですが、骨縫合線を越えるか否かで鑑別できます。混同注意:産瘤は骨縫合線を越えますが、頭血腫は越えません。これが重要な鑑別点です。
- 4. 帽状腱膜下血腫は、帽状腱膜と頭蓋骨膜の間に広がる出血であり、骨縫合線を越えて広がる点は産瘤と共通しますが、出血量が多く重篤になることがあり、波動性を触れることが多いです。また、問題文の記述から、ここまで広範囲で重篤な状態を示唆する情報はありません。より重症度が高く、通常は数日で消失するとは限りません。正しくは:帽状腱膜下血腫は重篤な出血であり、波動性を伴うことが多く、数日で消失することは稀です。選びやすい理由:骨縫合線を越えるという点で産瘤と共通するため、迷う可能性があります。混同注意:帽状腱膜下血腫は重症度が高く、数日で消失するという軽い症状とは異なります。
国試ポイント
新生児の頭部に生じる分娩外傷性腫脹の鑑別診断が問われています。特に産瘤と頭血腫、帽状腱膜下血腫の違い(骨縫合線を越えるか越えないか、波動性、消失までの期間、重症度)を正確に理解しておくことが重要です。
混同注意
産瘤と頭血腫の鑑別が最も重要です。産瘤は骨縫合線を越え、頭血腫は骨縫合線を越えないという点を確実に覚えましょう。帽状腱膜下血腫は重篤な病態であるため、その症状と経過も理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
この症状であれば、特別な処置は不要で経過観察が基本となります。しかし、他の病態が疑われる場合は、小児科医への報告と詳細な観察が必要です。
関連知識
産瘤、頭血腫、帽状腱膜下血腫の発生機序、好発部位、臨床症状、経過、治療、看護。また、分娩時の児頭への影響や、新生児の観察ポイントも関連知識となります。