Aちゃん(5歳、女児)は、インフルエンザ脳症の終末期である。Aちゃんに意識はなく、付き添っている母親は「私がもっと早く病院に連れて来ればこんなことにならなかったのに」と病室で泣いている。Aちゃんの母親への対応で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第109回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
インフルエンザ脳症の終末期にあるAちゃんの母親が、自己を責め、深い悲しみに暮れている状況です。このような時、母親が子どもに対して「自分に何かできること」を具体的に提供することは、無力感や罪悪感の軽減につながり、子どもとの最後の時間を意味のあるものにする助けとなります。例えば、体を拭く、手を握る、声をかけるといった簡潔なケアを提案することで、母親は子どもへの愛情を表現し、自身の役割を再認識できます。これは、後のグリーフワークにも良い影響を与える第一歩となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 終末期の状況で母親が自己を責めている際、受診が遅れた経緯を尋ねる行為は、母親の罪悪感をさらに強め、心理的負担を増大させる可能性があります。この時期は共感と支持が優先されます。正しくは:母親の感情を受け止め、共感的な言葉をかけるべきです。選びやすい理由:状況把握の一環と捉えるかもしれないが、この状況では不適切。混同注意:事実確認と、心のケアの優先順位を混同しやすい。
- 2. 正解。終末期の状況下で、母親が子どもに対して何かできることを提案することは、無力感や罪悪感の軽減に繋がります。たとえば、子どもの手を握る、声をかける、体を拭くなどのケアを通じて、母親は「自分にできることがある」と感じ、子どもとの最後の関わりを持つことができます。これは、グリーフワークの第一歩としても有効です。正しくは:この選択肢は適切です。選びやすい理由:母親の悲しみが深い状況で、具体的な行動を促すことに抵抗を感じるかもしれないが、それが有効な場合がある。混同注意:ケアの提案が負担になるのではないかと考えるかもしれないが、ここでは肯定的な意味を持つ。
- 3. Aちゃんはまだ終末期であり、亡くなっているわけではありません。この段階で、子どもを亡くした親の会を紹介することは、母親に死を宣告するような印象を与え、時期尚早であり、さらなる精神的苦痛を与える可能性があります。正しくは:現時点では不適切であり、グリーフケアは段階的に行うべきです。選びやすい理由:将来的な支援として適切だが、タイミングが早すぎる。混同注意:グリーフケアの重要性は理解できるが、その適切な開始時期を見誤る可能性がある。
- 4. 母親が感情を表出している時に、病室から退室を促すような対応は、母親の感情を否定し、孤立感を深める非常に不適切な行動です。この時期の母親は、共感と支持を最も必要としています。正しくは:母親のそばに寄り添い、感情の表出を許容し、支える姿勢を見せるべきです。選びやすい理由:看護師の業務遂行上、冷静さを保ちたいという思いから、感情的な対応を避けようと考えるかもしれない。混同注意:感情的な状況への対応に困惑し、距離を取ろうとする行動と、寄り添うべき対応を混同する。
国試ポイント
終末期における患者家族への心理的支援と、そのタイミングの適切さが問われています。特に、悲嘆に暮れる家族への共感的な態度と、具体的な行動を促すケアの提案が重要です。
混同注意
悲嘆の段階とそれに応じたケア(共感、情報提供、具体的な行動支援、自助グループ紹介など)の区別が曖昧だと、適切な対応を選択できない可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後、Aちゃんが亡くなった場合、母親へのグリーフケアはどのように段階的に進めるべきか。
関連知識
グリーフケアの概念、終末期ケアにおける家族支援の原則、自己肯定感を高める看護介入、共感的なコミュニケーションの技術。