大規模災害発生後2か月が経過し、応急仮設住宅で生活を始めた被災地の住民に出現する可能性が高い健康問題はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
大規模災害発生から数か月経過し、応急仮設住宅での生活が始まる時期は、医療アクセスや服薬管理が不安定になりがちです。また、生活環境の変化やストレスの長期化により、高血圧、糖尿病、心疾患などの慢性疾患を元々持っている被災者の病状が悪化しやすくなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。災害発生数か月後、仮設住宅での生活では、医療アクセスや服薬管理の不安定さ、生活環境の変化、精神的ストレスの長期化により、元来の慢性疾患の病状が悪化しやすいです。これはこの時期に特に注意すべき健康問題です。選びやすい理由:設問の時期に最も合致する健康問題であり、妥当な選択肢だから。混同注意:急性期の外傷や感染症など、他のフェーズの健康問題。
- 2. 細菌やウイルスによる消化器系感染症は、災害発生直後の急性期において、衛生環境の悪化などにより特に注意が必要です。数か月経過し応急仮設住宅での生活が始まった頃には、急性期よりリスクは低下しています。正しくは:災害急性期(数日〜数週間)に特に注意すべき問題です。選びやすい理由:災害時に衛生環境が悪化し感染症リスクが高まるという一般的な認識があるため。混同注意:災害急性期の感染症(特に避難所生活初期)。
- 3. 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)は、避難所生活などで狭い空間に長時間いることや水分摂取不足により、特に災害発生直後から数週間程度の亜急性期に多く発生します。数か月経過した仮設住宅での生活では、活動性が向上しているため発生リスクは低下します。正しくは:災害急性期から亜急性期(数日〜数週間)に特に注意すべき問題です。選びやすい理由:避難生活と関連付けて想起されやすい症状であるため。混同注意:災害急性期から亜急性期の身体的活動制限による合併症。
- 4. 急性ストレス障害(ASD)は、災害などのトラウマ体験から1か月以内に発症する精神疾患です。数か月が経過した時期では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)への移行や、うつ病などの精神疾患の発症が懸念されますが、急性ストレス障害の発症時期としては遅すぎます。正しくは:災害発生数か月後の場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病など、長期的な精神健康問題に注意が必要です。選びやすい理由:災害によるストレスが精神健康に影響を与えるという認識から、精神疾患を選びたくなるため。混同注意:PTSDやうつ病などの長期的な精神健康問題。ASDの診断基準である発症時期との区別。
国試ポイント
災害発生からの時間経過に応じた被災者の健康課題の変化を理解すること。
混同注意
災害急性期の感染症やストレス反応と、長期化する災害影響による慢性疾患悪化の時期の違い。
次に同じ論点が出たら
災害からの期間(数日、数週間、数か月など)と被災者の生活状況(避難所、仮設住宅など)を読み取り、その時期に特有の健康問題を選択する。
関連知識
災害フェーズに応じた健康問題:急性期(数日〜数週間)は外傷、感染症、急性ストレス反応。亜急性期(数週間〜数か月)はエコノミークラス症候群、精神疾患、生活習慣病の悪化。慢性期(数か月〜数年)は慢性疾患の管理困難、精神疾患の長期化、健康格差拡大。