閉塞性黄疸の患者にみられる便の色はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
閉塞性黄疸は、胆汁が腸管へ正常に流出できなくなる病態です。便の色は主に胆汁色素であるビリルビンの代謝産物(ステルコビリン)によって決まります。胆汁が腸管へ排出されないため、便は色素を欠き、粘土のような灰白色(白色便、アコリック便)を呈します。これは、黄疸の患者において便から胆汁が失われていることを示す重要な徴候です。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤色の便は、通常、下部消化管出血や痔など、消化管の比較的肛門に近い部分からの出血を示唆します。閉塞性黄疸の直接的な症状ではありません。正しくは:閉塞性黄疸では、胆汁が便中に排出されないため、赤色便とは関連がありません。選びやすい理由:出血性の疾患と混同する可能性があります。混同注意:血便、下部消化管出血
- 2. 通常の健康な成人の便は、胆汁色素(ビリルビン)が腸内で分解されてできるステルコビリンによって黄褐色になります。閉塞性黄疸では胆汁が分泌されないため、通常の黄色便は期待されません。正しくは:閉塞性黄疸では、胆汁の腸管への排出が阻害されるため、便は胆汁色素による黄色みを失います。選びやすい理由:健康な便の色として知られているため、一般的な便の色と誤解する可能性があります。混同注意:正常な便の色
- 3. 黒色便(タール便)は、上部消化管からの出血(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)によって血液が消化管内で酸化・分解された場合に特徴的に見られます。閉塞性黄疸の主要な症状ではありません。正しくは:閉塞性黄疸は胆汁の閉塞が原因であり、黒色便とは直接的な関連性はありません。選びやすい理由:消化器系の異常と関連する便の色として知られているため、混同する可能性があります。混同注意:タール便、上部消化管出血
- 4. 正解。閉塞性黄疸では、胆管が閉塞しているため、肝臓で生成された胆汁が腸管内に排出されません。便の色の大部分は胆汁色素(ビリルビンが腸内で代謝されてできるステルコビリン)に由来するため、胆汁が欠如すると便は色素を失い、粘土のような灰白色(白色便、アコリック便)になります。
国試ポイント
閉塞性黄疸の主要な症状や身体所見に関する知識は、国家試験で頻繁に問われます。特に、黄疸(皮膚や眼球結膜の黄染)、掻痒感、肝腫大、そして便の色(灰白色便)は、閉塞性黄疸を鑑別するための重要なポイントです。なぜその症状が現れるのか、病態生理と結びつけて理解しているかが問われます。
混同注意
一般的な消化器疾患による便の異常(血便、タール便など)と閉塞性黄疸による便の色を混同しやすい。また、胆道系疾患全般の症状と閉塞性黄疸特有の症状の区別がつきにくいことがあります。さらに、黄疸の原因(溶血性、肝細胞性、閉塞性)の違いと、それに伴う便・尿の色の変化を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に閉塞性黄疸に関する問題が出題された場合は、便の色だけでなく、尿の色(濃染)、皮膚や眼球結膜の黄染、掻痒感といった他の主要な臨床症状や検査所見(抱合型ビリルビン上昇、ALP・γ-GTP上昇)と関連付けて、総合的に病態を判断できるかどうかが問われる可能性が高いです。また、原因疾患(胆石、膵頭部癌など)や治療法(ERCP、手術など)に関する知識も確認しましょう。
関連知識
閉塞性黄疸の定義と原因(胆石、膵頭部癌、胆管癌など)。閉塞性黄疸のその他の症状:皮膚・眼球結膜の黄染、掻痒感、ビリルビン尿(尿の濃染)、倦怠感、食欲不振。ビリルビンの代謝経路とその異常。胆汁の生理的役割(脂肪の消化吸収、便の色形成など)。血便(赤色便、暗赤色便)、タール便(黒色便)の原因と鑑別。