下垂手の原因はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
下垂手は、手関節の背屈筋および手指の伸筋を支配する橈骨神経が麻痺することで生じる特徴的な症状です。橈骨神経の損傷部位によって麻痺の範囲は異なりますが、共通して手関節が自力で持ち上げられず垂れ下がり、手指の伸展も困難になります。
選択肢ごとの解説
- 1. 尺骨神経麻痺は、主に小指と薬指の一部(尺側)の感覚障害や、指を広げたり閉じたりする動き(外転・内転)の障害、鉤爪指変形などを引き起こします。下垂手とは直接関連しません。正しくは:尺骨神経麻痺は、手内筋の萎縮や鉤爪変形、小指側の感覚障害などを引き起こします。選びやすい理由:手の機能障害という点で、他の選択肢と混同しやすいかもしれません。混同注意:正中神経麻痺や橈骨神経麻痺など、他の手の神経麻痺と混同することがあります。
- 2. 正中神経麻痺は、母指球筋の萎縮による猿手変形や、母指の対立運動障害、示指・中指の屈曲障害、母指から環指橈側半までの感覚障害などを引き起こします。下垂手とは直接関連しません。正しくは:正中神経麻痺は、母指の対立運動障害や母指球筋の萎縮、示指・中指の感覚障害などを引き起こします。選びやすい理由:手の機能障害という点で、他の選択肢と混同しやすいかもしれません。混同注意:尺骨神経麻痺や橈骨神経麻痺など、他の手の神経麻痺と混同することがあります。
- 3. 正解。橈骨神経は、手関節や手指の伸筋群(手関節背屈、手指伸展)を支配しています。この神経が麻痺すると、これらの筋肉が機能しなくなり、手関節が垂れ下がり、手指が伸展できなくなる「下垂手(wrist drop)」という特徴的な症状が現れます。
- 4. 腓骨神経麻痺は、主に足関節の背屈や足指の伸展、足の外反といった動きを司る筋肉が麻痺し、「下垂足(foot drop)」と呼ばれる症状を引き起こします。これは足の機能障害であり、手の機能障害である下垂手とは異なります。正しくは:腓骨神経麻痺は、足関節の背屈障害や足指の伸展障害を引き起こし、「下垂足」の原因となります。選びやすい理由:「下垂」という言葉が共通しているため、下垂足と下垂手を混同しやすいです。混同注意:「下垂手」と「下垂足」は名前が似ていますが、それぞれ橈骨神経麻痺と腓骨神経麻痺によって生じる全く異なる部位の麻痺です。
国試ポイント
神経麻痺とそれによって生じる特徴的な症状(特に名称が付いているもの、例:下垂手、下垂足、猿手、鉤爪手など)の組み合わせを正確に理解しているかが問われます。解剖学的な神経支配と機能的影響を関連付けて覚えることが重要です。
混同注意
下垂手(橈骨神経麻痺)と下垂足(腓骨神経麻痺)の混同、あるいは他の上肢の神経麻痺(尺骨神経麻痺による鉤爪手、正中神経麻痺による猿手)との区別が曖昧になりやすいです。
次に同じ論点が出たら
下垂手や下垂足以外にも、特徴的な症状名を持つ神経麻痺(例:猿手、鉤爪手)について、原因となる神経と症状を正確に結びつけられるかを確認する問題が出る可能性があります。さらに、麻痺が起こる具体的な解剖学的部位(例:橈骨神経麻痺ならハネムーン麻痺、サタデーナイト麻痺など)とそれによる症状の違いを問われることもあります。
関連知識
各神経の走行、支配筋、そしてそれらの機能(運動・感覚)を詳細に理解しておく必要があります。また、絞扼性神経障害(例:手根管症候群)なども関連知識として問われることがあります。