ホメオスタシスに関与するのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
ホメオスタシスとは、生体が外部環境の変化に対応し、内部環境(体温、pH、浸透圧、血糖値など)を一定に保とうとする生理的な仕組みです。浸透圧受容器は体液の浸透圧を感知し、水分調節(ADH分泌など)を通じて体液量を一定に保ちます。中枢化学受容体は脳脊髄液中のpHや二酸化炭素濃度を感知し、呼吸運動を調節することで血液ガスを一定に保ちます。これらはいずれもホメオスタシスの中核的な要素です。一方、味覚、筋紡錘、痛覚受容器は外部刺激や身体運動の情報を感知する感覚器であり、直接的な内部環境の恒常性維持には関与しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 味覚受容器は、食物の味を感知する役割を担いますが、生体の内部環境の恒常性を直接的に調節する機能は持っていません。正しくは:味覚受容器は、外界の情報を感知する感覚器であり、恒常性維持に直接関与しない。選びやすい理由:感覚器全般を恒常性維持に関与すると誤解することがある。混同注意:感覚受容器が刺激を脳に伝える点は共通するが、ホメオスタシスに関わるか否かはその情報が内部環境の調節に利用されるかによる。
- 2. 筋紡錘は、筋肉の長さや伸展速度を感知し、姿勢維持や運動制御に関与しますが、体液量や電解質バランスなどの内部環境の恒常性維持には直接関与しません。正しくは:筋紡錘は、運動器の感覚受容器であり、恒常性維持に直接関与しない。選びやすい理由:身体運動の制御も広義の生体維持と捉え、ホメオスタシスと混同する。混同注意:反射弓の一部として働くが、自律神経系による内部環境の調節とは異なる。
- 3. 痛覚受容器は、生体にとって有害な刺激を感知し、危険を知らせる役割がありますが、生体内部の環境を一定に保つホメオスタシス機能には直接関与しません。正しくは:痛覚受容器は、外界からの有害刺激を感知する感覚器であり、恒常性維持に直接関与しない。選びやすい理由:危険回避行動も生体維持と捉え、ホメオスタシスと混同する。混同注意:生命維持に不可欠な感覚ではあるが、内分泌系や自律神経系が主導する内部環境の調節とは異なる。
- 4. 正解。浸透圧受容器は、主に視床下部に存在し、体液の浸透圧の変化を感知することで、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を調節し、水分バランスを維持するホメオスタシス機構に重要な役割を果たします。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:他の感覚器と混同しない。混同注意:血圧受容器と機能を混同することがあるが、浸透圧受容器は主に水分と電解質のバランス調節に関わる。
- 5. 正解。中枢化学受容体は、主に脳幹に存在し、脳脊髄液中の水素イオン濃度(pH)や二酸化炭素濃度を感知します。これにより呼吸運動を調節し、血液ガス(特にCO2とH+)の恒常性を維持する上で中心的な役割を担います。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:末梢化学受容体と機能を混同しない。混同注意:末梢化学受容体(頸動脈小体、大動脈小体)も同様に血液ガスを感知するが、中枢化学受容体は脳脊髄液の変化を直接感知する点で区別される。
国試ポイント
ホメオスタシス(恒常性)の概念とその具体的な調節機構に関わる受容器や器官を理解しているかが問われます。特に、内部環境の安定維持に直接関与する受容器と、外界からの情報を感知する感覚器との区別が重要です。
混同注意
感覚器全般をホメオスタシスに関与すると誤解しやすい。特に、生命維持に不可欠な感覚(痛みなど)であっても、直接的な内部環境の調節ではないことを理解する必要がある。
次に同じ論点が出たら
これらの受容器がどのようなホルモンや神経系と連携して機能するのか、さらに掘り下げて学習すると理解が深まる。
関連知識
体温調節(視床下部、皮膚温受容器)、血糖調節(膵臓のランゲルハンス島、インスリン・グルカゴン)、血圧調節(圧受容器、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)、pH調節(腎臓、肺)。