放射線療法に関わる看護師の健康管理に必要なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第106回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・3・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では1・3・5のいずれも正解とされています。 放射線療法に関わる看護師の健康管理には、放射線被曝量を適切に管理・測定すること(個人線量計の装着)と、放射線による被曝から身体を保護すること(防護用ゴーグルや鉛入り防護エプロンの着用)が重要です。ヨウ素製剤の服用は原子力災害時の放射性ヨウ素対策であり、N95マスクは空気感染対策のため、通常の放射線療法における放射線防護には直接関係ありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。放射線業務に従事する医療従事者は、放射線被曝量を測定するために個人線量計の装着が義務付けられています。これにより、被曝管理を適切に行い、健康への影響を監視できます。選びやすい理由:放射線被曝量の管理は重要だと認識していても、具体的な測定方法を理解していないと迷う可能性がある。混同注意:放射線管理の基本であるにもかかわらず、他の防護具との区別が曖昧だと選択肢から外してしまう可能性がある。
- 2. ヨウ素製剤の服用は、放射性ヨウ素の内部被曝による甲状腺への影響を低減するために行われますが、これは主に原子力災害時などの放射性ヨウ素が環境中に放出された場合に適用される対策です。通常の放射線療法現場で看護師が日常的に行う健康管理ではありません。正しくは:ヨウ素製剤の服用は、原子力災害などで放射性ヨウ素による内部被曝のおそれがある場合に検討される。選びやすい理由:放射線とヨウ素という言葉の組み合わせから、放射線被曝対策として関連があるように錯覚する可能性がある。混同注意:放射線被曝対策の一種であるため、状況に応じた適切な対策であることを理解していないと誤って選んでしまう。
- 3. 正解。放射線治療によっては、散乱線が眼に達する可能性があり、白内障などのリスクがあるため、眼の防護が必要です。特に、線源に近接して作業する場合や、インターベンション放射線学の手技を介助する場合などに着用が推奨されます。選びやすい理由:放射線防護といえば、身体の主要部分が優先されがちで、眼の防護の重要性を見落とす可能性がある。混同注意:放射線種や治療内容によって必要な防護具が異なるため、一概にゴーグルが必要ないと判断してしまう可能性がある。
- 4. N95マスクは、空気感染対策として結核菌や麻疹ウイルスなどの微粒子を吸入するのを防ぐためのものです。放射線は粒子ではなく電磁波や粒子線であるため、N95マスクで放射線を遮蔽することはできません。正しくは:N95マスクは空気感染対策のためのものであり、放射線防護には効果がない。選びやすい理由:医療現場で一般的な感染対策用のマスクであるため、何らかの防護効果があると誤解しやすい。混同注意:物理的なバリアとして機能するため、放射線も防げるのではないかと誤認する可能性がある。
- 5. 正解。鉛は放射線を遮蔽する効果が高く、放射線療法現場でX線などの被曝から身体を保護するために、鉛入り防護エプロンが広く使用されます。特に、治療装置のセットアップや患者の体位固定などで放射線に曝露される可能性のある部位を保護するために不可欠です。選びやすい理由:重くて装着が大変なため、その必要性を十分に理解していないと選択をためらうかもしれない。混同注意:すべての放射線に対して万能な防護具ではないという点で、他の防護具との比較で迷う可能性がある。
国試ポイント
放射線業務に従事する医療従事者の健康管理における基本的な放射線防護の原則と具体的な方法を理解しているかが問われています。特に、線量測定の重要性、眼の防護、そして遮蔽による防護の知識が中心となります。
混同注意
放射線防護と感染管理、あるいは一般災害対策との混同を誘発する選択肢が含まれているため、それぞれの防護具や薬剤の目的を正確に把握しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
個々の放射線治療法(例:密封小線源治療、外部照射)における看護師の役割と、それに伴う具体的な放射線防護策の違いについて問われる可能性がある。
関連知識
放射線防護の3原則(時間、距離、遮蔽)、電離放射線障害の種類と予防、放射線業務従事者の健康診断、放射線取扱主任者の役割。