廃用症侯群を予防する方法で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
廃用症候群の予防には、関節固定中であっても筋力低下を防ぐことが重要です。等尺性運動は、関節を動かさずに筋肉を収縮させる運動であり、ギプス固定中でも実施できるため、筋力維持に有効な方法です。
選択肢ごとの解説
- 1. 関節固定期間中やその直後に等張性運動を行うと、固定された関節に過度な負担がかかり、損傷のリスクや回復の遅延を招く可能性があります。等張性運動は筋肉を収縮させながら関節を動かすため、固定中の関節には不向きです。正しくは:関節固定解除後に、段階的に可動域訓練や筋力訓練として実施されるべきです。選びやすい理由:運動自体は廃用症候群予防に重要であるため、運動の種類を誤認しやすいかもしれません。混同注意:等張性運動と等尺性運動の違いが曖昧だと誤った選択をしてしまう可能性があります。
- 2. 正解。等尺性運動は、筋肉を収縮させながらも関節を動かさない運動です。ギプスなどで関節が固定されている状態でも、固定部位周辺の筋肉を維持・強化できるため、廃用症候群、特に筋力低下の予防に効果的です。これにより、ギプス除去後の早期回復を促します。正しくは:この選択肢は正しいです。選びやすい理由:ギプス固定中に運動することに抵抗を感じるかもしれませんが、適切な運動は重要です。混同注意:等尺性運動の概念を理解していないと、ギプス固定中の運動を避けるべきだと考えてしまうかもしれません。
- 3. マッサージは血行促進や浮腫軽減には役立ちますが、直接的な廃用症候群の予防、特に筋力や骨密度の維持・向上には効果が限定的です。また、「下の中枢から末へ」という方向性はリンパや静脈の流れに逆行する場合があり、一般的には「末梢から中枢へ」が基本です。正しくは:廃用症候群予防には、マッサージではなく積極的に筋肉を動かす運動が必要です。マッサージを行う場合も、通常は末梢から中枢へと行います。選びやすい理由:マッサージが身体のケアとして一般的に良いとされるため、関連性があるように見えるかもしれません。混同注意:マッサージの具体的な効果や実施方向について正確な知識がないと、適切な予防策と誤解する可能性があります。
- 4. 足底板は足部の形態を補正し、荷重バランスを改善することで歩行や姿勢を安定させるための装具ですが、直接的に下腿三頭筋の収縮を促し、廃用症候群を予防する効果は限定的です。廃用症候群の予防には、運動による筋肉の活動が不可欠です。正しくは:足底板は特定の疾患や状態の補助具であり、廃用症候群の直接的な予防策ではありません。予防には、運動療法が重要です。選びやすい理由:足底板が足の機能に関わるため、何らかの形で筋肉に良い影響を与えると感じるかもしれません。混同注意:足底板の本来の役割と、廃用症候群予防のメカニズムを混同すると誤った選択をしてしまうでしょう。
国試ポイント
廃用症候群の予防策に関する基本的な知識、特に等尺性運動と等張性運動の違いや、各運動が適応される状況の理解が問われています。
混同注意
等尺性運動と等張性運動の定義とその適用時期や目的を混同しやすいです。また、マッサージや装具の使用など、他の医療処置の目的と廃用症候群予防との関連性を誤認しやすい点も注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
患者の身体状況(固定の有無、痛み、意識レベルなど)に応じて、どの運動療法が最も適切かを判断する能力が求められます。
関連知識
廃用症候群の定義、発生メカニズム(筋萎縮、骨粗鬆症、循環器系機能低下、精神機能低下など)、その他の予防策(早期離床、体位変換、ROM訓練、栄養管理など)、運動療法の種類と効果(等尺性運動、等張性運動、関節可動域訓練、抵抗運動など)。