インスリン製剤について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第107回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
インスリン製剤は温度変化に敏感なため、航空機の貨物室のような低温・低圧環境では品質が劣化する可能性があります。そのため、安定した温度・気圧が保たれる客室内に手荷物として持ち込むことが推奨されます。
選択肢ごとの解説
- 1. インスリンはタンパク質ホルモンであるため、経口摂取すると消化酵素によって分解され、効果を発揮できません。そのため、注射による投与が必要です。正しくは:インスリンは消化酵素で分解されるため、経口投与はできません。選びやすい理由:一般的な薬には経口薬が多いことから、誤って選択する可能性があります。混同注意:経口血糖降下薬と混同しやすいですが、これらはインスリンとは異なる作用機序を持つ薬剤です。
- 2. インスリン製剤は凍結させると、有効成分であるインスリンが変性してしまい、薬効が低下するおそれがあります。そのため、冷蔵庫での保存が基本です(使用中は室温保存可能な製剤もあります)。正しくは:インスリン製剤は凍結を避け、冷蔵庫で保存します。選びやすい理由:食品や他の薬剤の一部は冷凍保存するものがあるため、誤解する可能性があります。混同注意:使用開始前のインスリンは冷蔵庫で保存しますが、使用中のものは室温保存が可能な期間があるため、その違いも理解しておく必要があります。
- 3. 皮下注射を同じ部位に繰り返し行うと、脂肪織の萎縮や肥厚(リポジストロフィー)が起こり、インスリンの吸収が不安定になる可能性があります。そのため、注射部位は毎回変更し、ローテーションすることが推奨されています。正しくは:皮下注射の際は、脂肪織の変性を防ぎインスリンの吸収を安定させるため、注射部位を毎回変更します。選びやすい理由:注射の手間を省きたいという心理から、同じ部位への注射を選択しがちですが、医学的には不適切です。混同注意:インスリン注射の部位は腹部、大腿部、上腕部、臀部など複数ありますが、その中でさらに細かく部位をずらして注射する必要があります。
- 4. 正解。飛行機の貨物室は気圧や温度が低くなることがあり、インスリンが凍結したり、品質が劣化したりする可能性があります。そのため、インスリン製剤は客室内の手荷物として持ち込むのが適切です。正しくは:(正しい記述のため修正不要)選びやすい理由:液体物であるため、手荷物検査で問題になるのではないかと考える人もいますが、医療品として持ち込みが認められています。混同注意:国際線などで液体物の持ち込み制限がある場合でも、インスリンなどの医療品は例外として認められています。医師の診断書などがあればよりスムーズです。
国試ポイント
インスリン製剤の特性、特に保管方法や投与時の注意点に関する基本的な知識が問われています。経口投与の不可、凍結の回避、注射部位のローテーション、そして旅行時の取り扱いなど、日常生活における看護指導の基礎となる情報です。
混同注意
インスリン製剤の保存条件(冷蔵か室温か、凍結は避ける)、注射手技(部位のローテーション)と混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
患者へのインスリン注射指導を行う際、これらの知識を踏まえて適切な説明ができるか。
関連知識
インスリンの作用機序、糖尿病の種類と治療、シックデイ時の対応、低血糖時の対応、インスリンポンプ療法、その他の注射手技(筋肉内注射、静脈内注射)との違い。