インスリン療法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第114回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
インスリン治療の最も頻繁で重篤な有害事象は低血糖です。インスリンは血糖値を降下させるホルモンであり、その作用が過剰になると低血糖を引き起こします。インスリン治療を受けている患者は、低血糖の症状とその対処法について十分に教育される必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 同じ部位に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなったり脂肪組織が萎縮したりする(リポジストロフィー)可能性があり、インスリンの吸収に影響を与えます。そのため、注射部位はローテーションすることが推奨されます。正しくは:注射部位は、腹部、大腿部、上腕部などをローテーションして使用し、同じ箇所への連続した注射を避けるべきである。選びやすい理由:毎回同じ部位に注射することは、手技が簡便であるため誤解されやすいですが、吸収不良や皮膚障害のリスクがあります。混同注意:患者が自己注射の習慣化のために同じ部位を選びがちだが、吸収効率と皮膚保護のために部位変更が必須である点を混同しない。
- 2. 正解。インスリンは血糖値を下げるホルモンであり、過剰に投与されたり、食事摂取量が不足したり、運動量が増加したりすると、血糖値が正常範囲を下回り、低血糖を引き起こす可能性があります。これはインスリン治療における最も一般的な有害事象です。選びやすい理由:インスリン治療には他にもアレルギー反応や注射部位の反応などがありますが、低血糖は最も重要で重篤な副作用として認識されています。混同注意:他の副作用と比較して、低血糖の頻度と重篤性を正しく認識しているかが問われる。
- 3. 超速効型インスリンは作用発現が早く持続時間が短いため、食直前に投与し、食後の血糖上昇を抑える目的で使用されます。就寝前に投与すると、作用発現のピークが睡眠中に訪れ、夜間低血糖のリスクが高まるため不適切です。就寝前には、基礎インスリンを補充する目的で持効型インスリンが使用されるのが一般的です。正しくは:就寝前には、基礎インスリンを補うために持効型インスリン製剤を使用するのが一般的である。選びやすい理由:インスリン製剤の種類と作用時間の理解が不十分だと、誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:インスリン製剤の種類(超速効型、速効型、中間型、持効型)とそれぞれの作用時間、適切な投与タイミングを混同している可能性がある。
- 4. インスリン療法が必須なのはインスリンの分泌が枯渇する1型糖尿病です。2型糖尿病では食事療法・運動療法・経口血糖降下薬などで治療し、インスリンが必須とは限りません。正しくは:1型糖尿病の治療法としては必須である。選びやすい理由:「1型糖尿病の治療法として必須である」という記述であれば正しいですが、正確な病型の記載がないため、問題文としては不適切となります。この点を読み飛ばすと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:「型糖尿病」という不明確な表現を見落とし、「1型糖尿病のことだろう」と勝手に解釈してしまうと誤る。厳密な記述の読み取りが重要。
国試ポイント
インスリン療法の基本的な知識、特に副作用、注射部位の管理、インスリン製剤の種類と作用時間に関する理解が問われています。用語の正確な理解も重要です。
混同注意
インスリン製剤の種類と作用時間の混同、注射部位のローテーションの重要性の見落とし、そして低血糖以外の有害事象との優先順位の誤認がよく見られます。また、「型糖尿病」のような曖昧な表現を正確に読み取ることができないと誤答につながります。
次に同じ論点が出たら
インスリン治療を開始する患者への初回指導で最も優先すべき説明は何か、という視点で考えると、低血糖とその対処法は非常に重要です。
関連知識
インスリン製剤の種類(超速効型、速効型、中間型、混合型、持効型)とその作用時間、注射部位の選択とローテーション、低血糖の症状と対処法(ブドウ糖摂取など)、シックデイ時の対応、インスリン自己注射の手技。