注意欠如・多動性障害〈ADHD〉の症状はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ADHDの診断基準には「不注意」の項目があり、その中には「しばしば、学業や職場での課題や活動に必要なものをなくす(例:おもちゃ、学用品、鉛筆、本、道具、財布、鍵、書類、眼鏡、携帯電話)」という具体例が含まれています。したがって、活動に必要な持ち物を頻繁に紛失することはADHDの典型的な症状です。
選択肢ごとの解説
- 1. 音声チックはトゥレット症候群やチック症の特徴であり、ADHDの主要な診断基準となる症状ではありません。正しくは:ADHDでは、不注意、多動性、衝動性といった症状が中心となります。選びやすい理由:神経発達症には複数の合併症があるため、一部の疾患と混同する可能性があります。混同注意:チック症
- 2. 計算の習得困難は限局性学習症(発達性ディスカルキュリア)の症状であり、ADHDの主な症状とは異なります。正しくは:ADHDでは学業上の困難を抱えることも多いですが、それは不注意や集中力の問題に起因することが一般的です。選びやすい理由:ADHDの子どもは学業で困難を抱えることが多いため、選択しやすいかもしれませんが、具体的に「計算の困難」はADHDに特異的な症状ではありません。混同注意:限局性学習症(発達性ディスカルキュリア)
- 3. 正解。これはADHDの診断基準である「不注意」の症状の一つです。物事を整理整頓できない、忘れ物が多い、必要なものをなくしやすいといった特徴はADHDでよく見られます。
- 4. 読んだ内容の理解困難は限局性学習症(発達性ディスレクシア)の症状であり、ADHDの主要な症状ではありません。ADHDの不注意から読書に集中できないことはあっても、理解そのものの困難とは区別されます。正しくは:ADHDでは読書に集中できず内容を忘れることはあっても、文字を読む能力や意味を理解する能力自体に問題があるわけではありません。選びやすい理由:学業での困難から、この選択肢を選びたくなるかもしれませんが、具体的に「読解困難」はADHDに特異的ではありません。混同注意:限局性学習症(発達性ディスレクシア)
国試ポイント
ADHDの主要な診断基準(不注意、多動性、衝動性)と、他の神経発達症(例:学習症、チック症)の主な症状とを明確に区別できるかが問われています。症状の具体例を理解していることが重要です。
混同注意
他の神経発達症(学習症、チック症)の症状。ADHDに合併することがあるため、混同しやすい。しかし、ADHDの『中核症状』は不注意、多動性、衝動性である。
次に同じ論点が出たら
ADHD患者の具体的な行動や言動が提示された際に、それが不注意、多動性、衝動性のどの側面に関連するか、また他の発達症の症状と区別できるか。
関連知識
DSM-5のADHD診断基準の具体的な項目(不注意の9項目、多動性・衝動性の9項目)、およびそれぞれの具体例。他の神経発達症(限局性学習症、自閉スペクトラム症、チック症)の診断基準と主な症状。