入院患者のせん妄に対する予防的介入で適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第108回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
せん妄の予防において最も重要なのは、患者さんの見当識を保ち、概日リズムを維持し、身体活動を促すことです。可能な限り離床を促し、日中の活動量を確保することは、これらの目標達成に直結します。活動によって、昼夜のメリハリがつき、認知機能の低下を防ぎ、結果としてせん妄の発症リスクを低減できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。せん妄は環境の変化や活動量の低下などが原因で起こりやすいため、日中の活動を促し、身体活動を維持することは予防に有効です。離床を促すことで、概日リズムの維持や認知機能の活性化にもつながります。
- 2. 日中に部屋を薄暗くすると、昼夜の区別がつきにくくなり、概日リズムが乱れる原因となります。これはせん妄を誘発する可能性があります。正しくは:日中は部屋を明るく保ち、昼夜の区別を明確にする。選びやすい理由:患者さんが休息しやすいようにという配慮から誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:夜間の安眠のための環境整備(暗くする)と混同しやすいです。
- 3. 家族や友人との面会は、患者さんの精神的な安定や見当識の維持に役立ちます。社会的な交流の機会を減らすことは、むしろ孤立感を深め、せん妄のリスクを高める可能性があります。正しくは:家族や友人との面会を積極的に促し、安心感や見当識の維持に努める。選びやすい理由:過度な刺激がせん妄を悪化させると誤解し、面会を制限すべきだと考えてしまう可能性があります。混同注意:刺激の強い環境を避けること(例:騒音の低減)と、面会を制限することとを混同しやすいです。
- 4. 夕方の短時間の昼寝でも、夜間の睡眠を妨げ、睡眠覚醒リズムを乱す可能性があります。規則正しい睡眠パターンを維持することがせん妄予防には重要です。正しくは:日中の過度な昼寝を避け、夜間の質の良い睡眠を確保するよう促す。選びやすい理由:休息は良いことだという一般的な認識から、昼寝を推奨してしまう可能性があります。混同注意:疲労回復のための休息と、睡眠覚醒リズムの維持の重要性を混同しやすいです。
国試ポイント
入院患者のせん妄予防策に関する知識が問われています。特に、見当識の維持、睡眠覚醒リズムの調整、活動量の確保といった基本的な介入の理解が重要です。間違えやすい選択肢は、一見患者に良さそうに見えて、実際にはせん妄を誘発する可能性のある行動が含まれています。
混同注意
せん妄予防と、患者の安楽や休息のための一般的な介入(例:薄暗い環境、休息推奨)を混同しやすいため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後もせん妄の予防的介入に関する問題は出題されると予想されます。特に、非薬物療法の重要性、個別性に合わせた介入、多職種連携の視点が問われる可能性があります。また、せん妄を発症してしまった患者への具体的な看護介入についても、理解を深めておく必要があります。
関連知識
せん妄のリスク因子(高齢、多剤併用、脱水、感染、疼痛、環境変化、感覚遮断など)、せん妄の種類(活動亢進型、活動低下型、混合型)、せん妄のアセスメントツール(CAM)、看護介入(環境調整、認知機能サポート、身体活動促進、家族の協力)