加齢によって高齢者に便秘が起こりやすくなる原因で適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
高齢者では加齢に伴い、食欲不振や嚥下機能の低下、口腔乾燥などにより食事量や水分摂取量が全体的に減少します。特に水分摂取量の減少は、便の硬度を増し、排便困難を引き起こす主要な要因となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。高齢者では、食欲不振や嚥下機能の低下、口渇感の鈍麻などにより、食事量や水分の摂取量が減少します。これにより便の水分含有量が少なくなり硬便となり、便秘を誘発しやすいため、適切な原因です。選びやすい理由:高齢者の生理的変化として理解しやすく、便秘との関連性も直接的であるため。混同注意:便秘の他の直接的な要因(運動不足、基礎疾患、薬剤など)
- 2. 味を感じる閾値の低下は、食欲不振や栄養摂取量の減少にはつながりますが、直接的に便の性状や腸管の動きに影響を与え、便秘を引き起こす直接的な要因ではありません。正しくは:味覚閾値の低下は食欲減退には繋がるが、便秘の直接原因ではない。選びやすい理由:高齢者の生理的変化の一つであり、食事摂取量減少の一因となり得るため、間接的な関連を誤解しやすい。混同注意:間接的な要因と直接的な要因
- 3. 加齢に伴い、大腸での水分吸収能力が低下するという医学的根拠はありません。むしろ、大腸の蠕動運動の低下により便の通過時間が延長し、結果的に水分吸収時間が増加して便が硬くなることがあります。正しくは:腸で水分が吸収されやすくなる、または便の通過時間延長により吸収される水分が増える。選びやすい理由:便秘と便の硬さの関連から、水分吸収能力の低下をイメージしやすいが、実際には逆または腸管通過時間の延長による影響が大きい。混同注意:加齢による他の消化器機能の変化(胃液分泌低下など)と大腸の水分吸収機能
- 4. 高齢者では、直腸の感覚が鈍麻し、便が貯留しても便意を感じにくくなるため、便意を感じる閾値は『上昇』します。これにより排便反射が起こりにくくなり、便秘の原因となります。正しくは:直腸が便意を感じる閾値が上昇する。選びやすい理由:直腸の機能低下という点では正しい方向に考えているが、「低下」と「上昇」のニュアンスを混同しやすい。感覚が鈍くなる=閾値が上がる、と理解するべき点を間違えやすい。混同注意:閾値の上昇と低下の概念(感覚が鈍くなるのは閾値が上がる)
国試ポイント
高齢者の便秘の要因として、食事量・水分摂取量の減少が重要であることを理解する。
混同注意
便秘の直接的な原因と、それらの背景にある加齢に伴う生理的変化との区別。
次に同じ論点が出たら
高齢者の便秘に関する問題が出題された際は、生活習慣の変化(特に食事・水分摂取)と消化器系の生理的変化の両面から要因を検討する。
関連知識
高齢者の便秘の原因は、器質的要因(薬剤性、疾患)、機能的要因(食生活、運動不足)、心理的要因など多岐にわたることを関連付けて覚える。