加齢に伴う血管壁の硬化による血圧への影響はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第110回看護師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
加齢による動脈硬化(血管壁の硬化)は、大動脈のコンプライアンス(伸展性)を低下させます。これにより、心臓が収縮して血液を送り出す際の圧(収縮期血圧)が大きく上昇します。一方、大動脈の弾性収縮が弱まることで、拡張期に末梢血管へ血液を送り出す力が低下し、結果として拡張期血圧は低下する傾向にあります。このため、収縮期血圧と拡張期血圧の差である脈圧は開大します。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。加齢による動脈硬化は、大動脈の伸展性低下を引き起こし、心臓が血液を送り出す際の抵抗を増大させます。これにより収縮期血圧は上昇します。一方、末梢血管抵抗は相対的に低下し、動脈の弾性収縮が弱まるため、拡張期血圧は低下する傾向があります。
- 2. これは誤りです。動脈硬化は血管の弾性を低下させるため、収縮期血圧は上昇します。拡張期血圧は、大動脈の弾性低下によりむしろ低下する傾向にあります。正しくは:収縮期血圧は高くなり、拡張期血圧は低くなる。選びやすい理由:血管が硬くなることで何らかの血圧変動がある、という部分で引っ張られる可能性がある。混同注意:若年性高血圧など、他の要因による血圧変動と混同する可能性。
- 3. これは誤りです。加齢による動脈硬化では収縮期血圧は上昇しますが、拡張期血圧は低下するか、変化しないことが一般的です。両方とも上昇するわけではありません。正しくは:収縮期血圧は高くなり、拡張期血圧は低くなる。選びやすい理由:血管が硬くなると全体的に血圧が上がるという直感的な理解から選択してしまう可能性がある。混同注意:本態性高血圧など、他の種類の高血圧と混同する可能性。
- 4. これは誤りです。血管が硬くなることによって、収縮期血圧はむしろ上昇します。血圧全体が低下することはありません。正しくは:収縮期血圧は高くなり、拡張期血圧は低くなる。選びやすい理由:加齢に伴う生理的変化として、活動量の低下などと関連付けて全体的な低下を想像してしまう可能性がある。混同注意:起立性低血圧など、特定の状況下での血圧低下と混同する可能性。
国試ポイント
この問題は、加齢による生理的変化、特に循環器系への影響、その中でも動脈硬化が血圧に与える具体的な影響を理解しているかを問うものです。収縮期血圧と拡張期血圧がそれぞれどのように変動するかを正確に把握しているかが重要です。
混同注意
高齢者の高血圧を「すべてが高くなる」と誤解しやすい。また、本態性高血圧や二次性高血圧など、他の病態における血圧変動と混同する可能性がある。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、脈圧の開大、または収縮期高血圧(孤立性収縮期高血圧)の定義と関連疾患について問われる可能性がある。また、加齢に伴う他の循環器系の変化(心拍出量、心機能など)との関連で問われることも想定される。
関連知識
・脈圧開大とその意義 ・動脈硬化のメカニズムと種類(粥状硬化、中膜硬化など) ・高齢者の高血圧管理の特殊性 ・血管のコンプライアンスと末梢血管抵抗の概念